建て替えとリフォームはどちらがおすすめ？メリットやデメリットを比較

更新日：2024年10月25日

築年数の経った住宅の場合、適切なメンテナンスが必要になります。その中でも劣化が進んでしまっているケースだと、建て替えやリフォームを行うのがおすすめです。そこで本記事では、建て替えやリフォームのメリット・デメリットについて詳しくご紹介していきます。

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古い住宅を何とかしたい！

築年数の古い住宅を長期間メンテナンスしないと、さまざまな不具合が発生する可能性が高くなります。特に木造住宅の場合、シロアリが木材を侵食して家の基礎や柱が弱くなることもあります。これが進行すると建物全体の強度が低下し、倒壊の危険性が高まるのです。

また長年住み続けていることで、雨漏りや配管・電気設備の問題が発生することも多いです。そのまま放置すると、カビが発生したり内部の木材が腐ったりする原因になります。また古い配管は腐食や詰まりが起こりやすく、漏水や水圧の低下、さらには水質の悪化を引き起こす事例もあります。

さらに内装においては、長年使用されてきた床や壁が経年劣化によりたわんだり剥がれたりすることがあります。これにより見た目が悪くなるだけでなく、日常生活に支障をきたすことも多いです。このように定期的なメンテナンスを行わないと、さまざまな不具合が蓄積して結果的に修理や改修にかかるコストが大幅に増加する可能性があります。また放置すればするほど修復が難しくなるケースが多いため、早めの対処が重要です。

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建て替えとは

住宅の建て替えとは、既存の建物を解体してその敷地に新しい建物を建設することを指します。既存の住宅が老朽化したり、住まい手のニーズに合わなくなった場合に行われることが多いです。まず現状の住宅の状態を調査し、どのような新しい住宅を建てるかを計画します。その上で、既存の住宅を取り壊します。もしアスベストなど有害物質が含まれている場合は、専門業者による適切な処理が必要です。建て替えは新築と同様なので、住宅の資産価値が向上する可能性が高いです。

建て替えのメリット

建て替えでは、最新の建築技術や設備を取り入れることができます。これにより耐震性、断熱性、耐久性などが大幅に向上し、エネルギー効率の良い住まいを実現できるのがメリットです。またスマートホーム技術や最新のセキュリティシステムを導入すれば、快適で安全な生活環境を手に入れられます。

そしてゼロから間取りやデザインを自由に設計できるため、家族構成やライフスタイルにぴったり合った住宅を実現できます。例えばバリアフリー設計や多機能なキッチン、広々としたリビングなど、ニーズに応じた家づくりが可能です。

新築住宅は一般的に資産価値が高く、建て替えによって住宅の価値が向上する可能性が高いです。特に将来的に売却を考える際にも、有利な条件で売却できる可能性が高まります。古い住宅では、メンテナンスに多くのコストがかかることがありますが、建て替えにより新しい建材や設備が導入されることで、メンテナンスの頻度やコストを大幅に削減することも可能です。これにより、長期的な費用負担が軽減できます。

建て替えのデメリット

建て替えには多くのメリットがある一方で、デメリットもいくつか存在します。まず建て替えには、解体費用、新築工事費用、設計費用、仮住まいの費用など、多額の費用が掛かる点には注意しましょう。特に解体工事にかかる費用は思った以上に高くなることがあり、予算を大幅に超える可能性もあります。また土地の条件や建物の規模によっては、建築費がさらに増加することがあります。

そして建て替えには、計画から完成までにかなりの時間が掛かります。解体作業、地盤調査、設計、建築工事など、各プロセスに十分な時間を要するため、完成までに半年以上かかることも珍しくありません。その間、仮住まいが必要になることがあり、生活の不便さや仮住まいの費用もデメリットとなります。

さらに建て替え工事は大きな音や振動が発生し、工事車両の出入りもあるため、近隣に迷惑をかける可能性があります。このため、工事中に近隣とのトラブルが発生するリスクがあります。工事開始前には近隣住民への挨拶や説明が必要になるなど、手間が増えてしまうこともあります。古い家には家族の思い出や歴史が詰まっていることが多く、建て替えによってそれらが失われることに抵抗を感じる人もいます。家族や親戚が長年住み続けてきた家を取り壊して後悔しないか、事前によく話し合いましょう。

リフォームとは

リフォームとは、既存の住宅や建物の一部を改修・修繕することを指します。これにより住宅の機能を改善したり、デザインを変更したりできるのが特徴です。建て替えとの大きな違いは、建物の全体を解体して新築するのではなく、既存の構造を残しながら部分的に手を加える点です。例えばキッチンや浴室のリフォーム、内装の更新、断熱性能の向上などを行うのが一般的です。また建て替えに比べて、リフォームの方が費用を抑えられることが多いです。比較的工期も短いので、生活に与える影響も少なくなります。部分的な工事であれば、仮住まいも必要ありません。

そしてリフォームは必要に応じて段階的に行えるため、予算や期限に応じて柔軟に計画を進められます。場合によっては特定の部分だけを改修し、将来的に他の部分をリフォームすることも可能です。リフォームと建て替えはそれぞれ異なるメリットとデメリットを持っているので、住宅の状態や住む人のニーズ、予算によって選ぶようにしましょう。

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リフォームの主な種類と費用

ここでは、リフォームの主な種類と費用についてご紹介します。リフォームは傷んでいる箇所を部分的に改修することも多く、幅広い種類があります。そのため、ご自宅の状況やライフスタイルに合ったリフォームを選びましょう。

内装リフォーム

内装リフォームは、住まいの内部を改修・改善することで、居住空間を快適にし、機能性やデザインを向上させることを目的としています。具体的には、壁紙の張り替えや床材の変更、天井の仕上げといった工事が該当します。インテリアデザインを新しくすることで、住まいの雰囲気を大きく変えられるのがメリットです。これにより古びた内装が一新され、モダンでスタイリッシュな空間を作り出せます。

内装リフォームの主な費用は、一般的なタイプとして3LDKタイプの内装リフォーム費用は約650万円～1100万円程度となります。（主な内容は、解体工事に約100万円前後かかります。キッチン・トイレ・浴室等の水回り工事に約130万円～250万円程度、電気や給排水等の設備工事は約200万円～400万円程度かかります。建具取替やフローリング貼替などの木工事は約150万円～200万円程度となります。内装工事は約70万円～80万円程度。）

※処分費及び養生費は別途費用がかかります。

※各種メーカーやランクによって費用が変わります。

※諸経費及び管理費は別途費用がかかります。

ただし内装リフォームの費用は、選ぶ材料や工事内容によって大きく変わります。あらかじめ予算を設定し、追加費用が発生する可能性も考慮しておくことが重要です。またリフォーム中に追加工事を頼むと予算オーバーになりがちなので、慎重に判断しましょう。

外装リフォーム

外装リフォームとは、住宅の外観や機能性を改善するための改修を行うことを指します。具体的には、外壁や屋根、窓、玄関ドアなどのリフォームが含まれます。住宅の美観を向上させるだけでなく、耐久性や断熱性、防水性を改善することが目的です。外壁の塗装や張り替え、屋根のリフォームなどを行うことで、住宅の外観を一新し、見た目の美しさを取り戻します。外装のデザインや色を選ぶ際には、周囲の環境や住宅のスタイルに合わせることが重要です。

外装リフォームの主な費用は、外壁のリフォームで一般的によく使用されているサイディングの張替えとして㎡あたり約7千円～1万円程度となります。また、ガルバリウム鋼板を使用した外壁の場合は㎡あたり約7千円～1万5千円程度となります。

※メーカーや種類によって費用が変わります。

※処分費及び養生費は別途費用がかかります。

※仮設足場は、別途費用が掛かります。

外装材は住宅の性能に直結するため、選ぶ素材の耐久性やメンテナンス性をよく考える必要があります。安価な材料を選ぶと短期間で再びリフォームが必要になる場合があるため、品質とコストのバランスを考慮しましょう。

水回りリフォーム

水回りリフォームとは、キッチン、浴室、トイレ、洗面所など、水を使用する場所の改修を行うことを指します。水回りは日常的に使用頻度が高く劣化しやすいため、リフォームによって機能性や快適性を向上させることが目的です。最新の設備に交換することで、使い勝手や効率が向上します。例えば省エネ型の給湯器や節水型トイレ、収納力のあるシステムキッチンなどを導入することで、日常生活がより快適になります。

水回りリフォームの主な費用は、キッチンの場合は約80万円～120万円程度です。（内訳として既存キッチンの撤去に約10万円程度、キッチン本体は約50万円～80万円程度となり、設備費は約10万円～15万円程度かかります。設置費は約10万円程度です。）

続いてトイレの場合は約10万円～20万円程度です。（内訳は便器本体は約6万円～12万円程度で取替費は約4万円～8万円程度です。）

ユニットバス工事の場合は約70万円～120万円程度となります。（内訳は既存解体撤去に約8万円～10万円程度、ユニットバス本体は約50万円～90万円程度です。設備費及び設置費に約15万円～20万円程度かかります。）

※処分費及び養生費は別途費用がかかります。

※メーカーや種類及びランクによって価格が変わります。

※電気配線や給水排水配管の経路によって費用が変わります。

水回りリフォームでは、給水管や排水管、電気配線などの見えない部分が重要です。特に築年数が経過している住宅では配管や配線の劣化が進んでいることがあるため、リフォーム前に状態を確認して必要に応じて交換や補修を行うことが求められます。

エコリフォーム

エコリフォームとは環境に配慮した方法で行うリフォームで、エネルギーの効率化や資源の節約を目的としています。具体的には断熱材の追加や窓の交換、エネルギー効率の良い設備の導入などを行い、家のエネルギー効率を向上させます。これにより冷暖房の効率が高まり、光熱費の削減が期待できます。また最近では、太陽光発電システムやエコキュートなど、再生可能エネルギーを利用した設備を導入するリフォームも人気です。これにより化石燃料の使用を減らし、環境負荷を軽減できます。

エコリフォームの主な費用は、断熱工事の相場として1㎡あたり約5千円～1万円程度となります。また、二重サッシ工事の相場としては１ヵ所あたり約5万円～10万円程度となります。

※処分費及び養生費は別途費用がかかります。

※メーカーや窓の大きさ、種類によって費用が変わります。

エコリフォームは初期投資が高くなることがあるため、予算管理が重要です。ただし長期的な光熱費の削減や環境負荷の軽減を考慮すれば、投資に見合う効果が得られる場合が多いです。費用対効果をよく考えて、計画を立てるようにしましょう。

介護リフォーム

介護リフォームとは、高齢者や障害者が安全に、快適に生活できるように住宅を改修することを目的としたリフォームです。例えば住宅内の段差をなくすために、フラットな床面にするリフォーム等が含まれます。特に玄関、廊下、トイレ、浴室などの段差を解消し、車椅子や歩行器の使用を考慮した設計にするとバリアフリー対応ができます。さらに滑りにくい床材やクッション性のある素材を使用することで、転倒のリスク軽減になります。また、床の高さを均一にすることも重要です。

介護リフォームの主な費用は、手すりを玄関やトイレに洗面所などに取り付ける工事費として1ヵ所あたり約1万円程度となります。また、階段や廊下では大きさや形状にもよりますが、約8万円～20万円程度かかります。

※養生費は別途費用がかかります。

介護リフォームは、住む方に合わせた具体的なニーズや体調に応じて設計する必要があります。そのため事前に生活の状態を詳しく把握し、それに適したリフォームを計画してくれる業者を選びましょう。また自治体によっては、介護リフォームに対する補助金や助成金が提供されていることがあるため、申請を検討するのもおすすめです。

スケルトンリフォーム

スケルトンリフォームとは、住宅や建物の内部をほぼ全て取り壊してから、構造部分（スケルトン）のみを残してリフォームを行う方法です。内部の壁や仕切りを取り壊すことで、間取りの自由度が大幅に向上します。これにより、広々としたオープンな空間やニーズに応じた新しいレイアウトを設計しやすくなります。また古い配管や電気配線、断熱材などをすべて取り替えることができるため、根本的な改善が可能です。スケルトンリフォームはリノベーションの一環として行われることが多く、全体的なデザインの統一や新たなコンセプトの導入がしやすいです。

スケルトンリフォームの主な費用は、90㎡前後の大きさの戸建てをスケルトンリフォームした場合の費用として約900万円～1600万円程度かかります。（主な内訳は内部外部の解体撤去に約100万円～150万円程度、仮設工事としては約80万円～120万円程度かかります。屋根のやり替えには約100万円～150万円程度。キッチンやユニットバス、トイレ等の水回り工事は約130万円～250万円程度となります。また、電気やガス、給排水設備等の工事は約200万円～400万円程度かかります。外壁や内部の造作工事は約200万円～400万円程度となります。クロス等の内装工事は約100万円～120万円程度となります。）

※処分費及び養生費は別途費用がかかります。

※各種メーカーやランクによって費用が変わります。

※建物の形状や状態によって費用が変わります。

※諸経費及び管理費は別途費用がかかります。

比較的大規模な工事になるため、コストが高くなることがあります。予算を十分に計画し、詳細な見積もりを確認するようにしましょう。生活スペースが確保できない期間が長くなる可能性があるため、工事中の住まいの確保や仮住まいの手配についても準備が必要です。

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リフォームのメリット

ここでは、リフォームのメリットについてご紹介します。「建て替えかリフォームかで迷っている…」という方は、ぜひ参考にしてみてください。

部分リフォームは工事期間が短い

リフォームは工事が短期間で完了することで、住まいの使用が早く再開できます。特に居住空間や主要な生活エリアのリフォームを行う場合、工事が早く終われば生活の不便を最小限に抑えられます。仮住まいにかかる費用や手間も省けて、コストや手続きの負担が軽減できるのがメリットです。

また工事期間が短いことで、家族や住民への影響を最小限に抑えることもできます。特に小さいお子さまや高齢の方がいる家庭では、長期間の工事による生活環境の変化が少なくて済みます。リフォームが早く完了することで、改善された住環境や新しい設備の効果を迅速に実感できます。新しい空間や機能を早く楽しめるので、総合的なリフォームの満足度が高まります。

ただし工事をスムーズに進めるためには、事前に詳細な計画と準備が重要です。設計図や仕様をしっかりと決めて、施工業者と協力して工事のスケジュールを立てましょう。その際、経験豊富で信頼できる施工業者を選ぶことで、工事の品質と効率が向上します。業者の実績や評判を確認し、工事が予定通りに進むようにしましょう。

生活への負担が少ない

リフォームは建て替えに比べて、日常生活への影響が少なく済みます。部分的なリフォームや局所的な工事を選ぶことで、生活空間を維持しながら改修を進められるのがメリットです。工事時間を家庭の生活スタイルに合わせて調整することで、リフォーム中の不便を減らせます。

また工事を適切に管理することで、騒音やほこりの発生を抑えることもできます。防音シートやエアカーテンを使用するなど、工事中の生活環境をできるだけ快適に保つ工夫が施されることが多いです。リフォーム前に詳細な計画を立て、工事のスケジュールや内容を調整することで、生活への影響を最小限に抑えるようにしましょう。施工業者と十分に相談し、最適なプランを決定することが重要です。これにより、リフォームをスムーズに進めながら快適な生活環境を維持することが可能になります。

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リフォームのデメリットと解決策

リフォームにはメリットがたくさんありますが、デメリットも存在します。そのため解決策をチェックしておくことで、工事後の後悔を防ぎましょう。

理想の間取りにできない

建て替えではなくリフォームで対応する場合、既存の構造や配管、壁の位置などが影響して理想の間取りにすることが難しいケースがあります。また建物の構造や設計上、空間が制約されることで希望する間取りやレイアウトを実現できないことも多いです。

【解決策】スケルトンリフォームにする

リフォームで大規模な間取り変更をしたい場合には、スケルトンリフォームを選択するのがおすすめです。これにより、理想の間取りを実現するための柔軟性が大幅に向上します。具体的には内部の壁や仕切りをすべて取り壊すことで、構造部分（スケルトン）だけが残ります。間取りを自由に再設計できるようになるため、理想の間取りに近づけやすくなります。

ただしスケルトンリフォームは大規模な工事になるため、コストが高くなることがあります。予算の計画をしっかりと行い、必要な資金を準備することが重要です。また工事が長期間にわたる可能性があるため、生活に与える影響や仮住まいの手配について考慮しておきましょう。

劣化の状況によって高額になる

リフォームの際、建物の劣化の状況によって予想以上の費用がかかることがあります。特に建物の老朽化が進んでいる場合、基礎や構造体の補修が必要となってしまいます。またリフォームの範囲が広い場合や複雑な作業が含まれる場合にも、予算が大きくなりがちです。

【解決策】相見積もりを取る

リフォームの費用を抑えるためには、相見積もりを取るのがおすすめです。複数の業者から見積もりを取ることで、各業者の提案内容や価格を比較しやすくなります。これにより、適正価格でのリフォームが実現できます。また価格だけでなく見積もり内容も比較することで、各業者の価格構成やサービス内容が明確になります。これにより費用の内訳が透明になり、納得のいく選択がしやすくなるのもメリットです。

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