床暖房リフォームをするには|種類を解説

更新日:2023年12月25日

更新日:2023年12月25日

床暖房は部屋をじんわりと温めてくれるので、快適な環境づくりに役立ちます。本記事では床暖房の種類やメリット・デメリットについて詳しくご紹介していきます。これから床暖房を導入しようとお考えの方は、ぜひご参考にしてみてください。

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床暖房の仕組みとは?

床暖房は、床下に敷設された温水配管や電熱線から得られる熱により、部屋を暖める暖房システムです。床暖房では「輻射・伝道」の熱作用を利用して部屋を暖めます。遠赤外線や空気の移動といった作用により、じんわりと優しい暖房効果が期待できます。

床面から放射される輻射熱は、下から上へと均一に広がります。暖かい空気は天井に向かって上昇する性質を持つため、自然と部屋全体が快適な室温に保たれます。エアコンだと床面付近が冷たいといったデメリットがありますが、床暖房は床全体が発熱体のため効率的です。

床暖房の種類

ここでは、床暖房の主な種類をご紹介します。熱源の違いによって主に2種類に分けられるため、ご自宅の構造やライフスタイルに合ったタイプを選んでみましょう。

温水式床暖房

温水式床暖房は、温水を配管によって床下のパイプやパネルに流す暖房システムです。熱源としては「ガス式・ヒートポンプ式・灯油式」があり、専用のボイラーや温水ヒーター等を使用します。寒冷地の場合には、不凍液で温水を作るケースもあります。電気式に比べて光熱費が安く、ランニングコストが安いのがメリットです。多くの床材と組み合わせて利用できますが、木、石、タイル等が人気があります。

温水式床暖房は、快適な暖房効果と省エネ効果を両立した暖房方法として人気があります。しかし設置時のコストや工事の手間がかかる点には注意が必要です。専用の配管やパネルを床下に設置するため、新築や大規模なリノベーション時に施工するのが一般的です。

電気式床暖房

電気式床暖房は、電気を使用して床下の発熱体を加熱し、床面から放射される輻射熱で室内を暖める暖房システムです。熱源としては「電熱線式・蓄熱式・PTCヒーター式」といった種類があります。電熱線は床下に敷設するタイプで、最も一般的に活用されています。また蓄熱式は夜間の安い電力を利用して熱を溜め、適宜放熱するタイプです。そしてPTCヒーター式は、温度に応じて通電量を抑制するタイプです。過剰に温まる部分が無くなり、部屋全体が快適になります。

電気式床暖房は、部分的に電源を切り分けて制御することができるため、利用する部屋ごとに温度調節が可能です。また導入が比較的容易で、利便性が高い暖房方法として人気があります。リーズナブルな価格で導入できる点も魅力的です。

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床暖房のメリット

ここでは、床暖房の主なメリットについてご紹介します。他の暖房方法との違いを知ることで、床暖房の魅力が分かりやすくなります。床暖房の導入に迷われている方は、ぜひご参考にしてみてください。

足元が暖かくなる

床暖房のメリットの一つは、「足元が暖かくなる」という点です。床暖房は床面から放射される熱で室内を暖めます。このため、足元からじんわりと温かさを感じることができます。体感温度が上がることで寒冷感を感じにくくなり、冷たい床を歩く際の不快感も軽減できるでしょう。寒冷地域では床が特に冷えるため、床暖房は人気のある手法です。

寝室やリビングなどでの床暖房は、小さい子どもやペットのいる家庭で特に人気があります。朝晩や寒い季節に起きた際に素足や靴下で快適に過ごせるため、利便性が高まります。また足元が暖かいと、血行が促進されるとされています。足元が暖かい状態で過ごすことで快適さが向上し、寒冷地域では特に冷え対策として重要な要素となります。

乾燥しにくい

床暖房は室内の床面から温かさを放射するため、湿度が比較的保たれやすいです。通常の暖房方法(暖房機器や暖冷房システム)よりも空気中の水分を奪いにくいことで、室内の適度な湿度が維持されやすいという特徴があります。

乾燥した環境では肌や粘膜が乾燥しやすく、不快感や健康への影響が出ることがあります。その点、床暖房は乾燥しにくいため、乾燥肌の症状が軽減されたり感染症を防いだりする効果が期待できるでしょう。適度な湿度を保つことで室内の快適性を高め、乾燥が気になる季節でも快適に過ごすことができます。

また床暖房は、木材や家具の保護にも適しています。木材は乾燥すると収縮してしまいますが、床暖房が乾燥を抑制することで劣化を軽減できます。

空気がよごれない

床暖房は床面からじんわりと暖めるため、通常の暖房方法に比べて空気の対流が少なくなります。これにより床にたまった埃や花粉が舞い上がりにくくなり、室内の空気がきれいに保たれるのがメリットです。

空気中の塵や微粒子の舞い上がりが抑制されることで、呼吸器系への負担が軽減され、アレルギー症状の緩和につながる可能性があります。室内の空気がきれいで快適な環境を維持できるため、健康への影響を軽減しつつ、清潔で快適な居住空間が実現します。

メンテナンス回数が少ない

床暖房は、基本的には床下に敷設されるヒーターが主要な設備となります。このヒーターは一度設置すれば長期間にわたって使用できるため、耐久性が高いのがメリットです。長寿命で壊れにくい構造のため、交換や修理の必要が少なく、メンテナンス回数が減ります。また他の暖房方法に比べて部品が少なくシンプルな構造であるため、故障やメンテナンスが起こりにくいという特徴があります。

床暖房システムも定期的な点検が必要ですが、一般的には比較的簡単に行えます。通常はヒーターや配管の点検、温度制御装置の確認が主な点検項目となります。床暖房はシンプルな構造で動作部品が少ないため、故障やメンテナンスが少なく、定期的な点検も簡単に行えます。これにより、長期間にわたって安定した暖房機能を提供することが可能です。

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床暖房のデメリット

床暖房にはメリットが多いですが、デメリットもあります。中には実際に暮らしてみないと分からないことも多く、最初のイメージと違うこともあります。これらを知っておくことで、リフォーム後の後悔や失敗を防ぎましょう。

初期費用が高い

床暖房は、床下にヒーターを設置するシステムです。そのためリフォームで導入する場合、床の改修やヒーターの設置にかかる費用が比較的高額になってしまうのがデメリットです。床下の構造や素材、設置状況によっては既存の床を撤去する必要があるため、工事費用が増加します。また、床暖房と他の設備や構造との統合も必要です。これには床の改修や配管の調整、電源の確保などが含まれます。

床暖房の初期費用は高額なので、設置前に十分な検討と予算の確認が重要です。ただし長期的な視点で見ると、省エネや快適な暖房効果、メンテナンスの少なさ等が大きなメリットになります。最終的にコストを回収できることも多いので、これらの面も考慮しつつ判断することが必要です。

床材が合わないと変える必要がある

床暖房のデメリットの一つとして、「適合する床材を使用する必要がある」という点があります。床暖房は床下から発する熱を利用して暖房を行います。そのため床材の熱伝導性が重要で、熱を効果的に伝えることができる床材でないと、暖房効果が低下してしまうのです。

一般的な床材は木目のフローリングが多いですが、床暖房対応の製品を選ぶ必要があります。通常のフローリングだと熱膨張や収縮が起こってしまうため、対応材には特殊な加工を施してあります。これにより、フローリングの価格が通常品より多少アップします。

暖まるまでに時間がかかる

床暖房は床の下から放射熱を利用して部屋を暖めるため、スイッチを入れてから室内が暖かく感じるまでに時間がかかります。特に寒冷地域や大きな空間の部屋では、暖房が均一に行き渡るまでに時間がかかることがあるでしょう。

対策としては、床暖房のタイマーやスケジュール機能を活用する方法があります。朝起きる時間や帰宅時間に合わせてセットしておけば、部屋にいる時間には快適な温度に暖まっています。時間を事前に調整しておくことで、快適な環境が整えられます。

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床暖房のおすすめメーカー品

床暖房は、各メーカーから様々な製品が販売されています。ガス式や電気式など、製品によって種類は様々なので、ご自宅に合ったタイプを選んでみましょう。

パナソニック

パナソニックでは、温水式・電気式の2種類の床暖房を展開しています。一般的には広い範囲であれば温水式、部分暖房であれば電気式がおすすめです。総合住宅設備メーカーであるという強みを生かして、フローリング材も併せて提案してくれるのがメリットです。トータルコーディネートにより、機能・デザインの両方のバランスが取りやすいでしょう。

LIXIL

LIXILでは「HOTひといき」という床暖房システムを開発しています。電気式分離型となっており、安全性が高く省エネ性にも優れた、PTC面状発熱体を採用しているのが特徴です。熱がこもった場合には自動制御されるので、低温やけどを防ぐ効果が期待できます。

リンナイ

リンナイでは、ガス温水式床暖房を提供しています。熱源機で加熱した暖房用の温水を循環させ、その熱を利用して暖房する方法です。室内に燃焼機器が無いため、空気が清潔に保てるという特徴があります。またガス燃焼後は循環利用するため、ランニングコストが安くなります。スピーディーに暖かくなるので、リビング等の居室におすすめです。

東京ガス

東京ガスでは、ガス温水床暖房を提供しています。ガス会社ならではのサービスが充実しており、1-2日で設置できる方式から、本格リフォームまで、様々な施工方法でお客さまに合った床暖房を提案してもらえます。また年中無休での修理対応や専門スタッフによる取り付けを行っているので、初めて床暖房を導入する方も安心です。

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床暖房のリフォームで注意するポイント

床暖房のリフォームは人気がありますが、いくつかの注意点もあります。気を付けるべきポイントを守ることで、失敗を防ぎましょう。気になる点がある場合には、専門業者に無料相談してみるのがおすすめです。

床暖房に適した床材を選ぶ

床暖房をリフォームする際には、適した床材を選ぶことが重要です。床暖房は床の下から熱を放射するため、床材の種類や熱伝導性が暖房効果に影響を与えます。具体的には「フローリング、タイル、カーペット、クッションフロア」といった床材を使用するのがおすすめです。床材には「床暖房対応」といった表記がしてあることが多いため、対応可否を必ず確認するようにしましょう。

また施工に当たっては、床暖房パネルと床材の厚みを考慮し、部屋の高さやドアのクリアランスに影響を与えないように注意しましょう。あまりにも厚みのある床材を選んでしまうと、段差が生じて危険です。

さらに導入後の仕上げやメンテナンスも考慮すると、その後の使い勝手が良くなります。ペットがいるご家庭では引っかきに強いフローリングにするなど、ライフスタイルに応じた対応が可能です。適した床材を選ぶことで、床暖房の効果を最大限に活かしつつ、快適で効率的な暖房を実現できます。必要に応じて、リフォームの専門家や床暖房のプロに相談することもおすすめします。

設置面積を工夫する

床暖房リフォームでは、間取りに応じて設置面積を工夫することが重要です。間取りや部屋の用途、家族構成などによって必要な暖房面積や配置が異なるため、適切な面積や配置を検討しましょう。床暖房の暖房効果を最大限に活かすためには、各部屋の用途や利用頻度に合わせて配置を検討します。たとえばLDKに床暖房を設置するのであれば、家族の集まるリビングや立ち仕事の多いキッチンに設置すると快適になります。多くの時間を過ごす場所を見極めて、重点的に設置するのがおすすめです。

また寒冷地域の場合には、窓際、通路、冷暖房の効きにくい場所などに床暖房を設置することもあります。全館暖房にすることで、ヒートショックによる健康被害を最小限に防げます。必要であれば子ども部屋や浴室などにも床暖房を設置することで、足元からの暖かさを実感できます。

実際の設置面積は、各部屋の床面積や形状、家族の動線に合わせて床暖房の面積を計算します。障害物の有無、窓の位置なども考慮しましょう。リフォームが初めての場合にはなかなか判断が付きにくいため、プロに相談するのがおすすめです。

マンションの場合は施工可能か確認する

マンションの場合でも、一戸建てと同じように床暖房を施工することは可能です。しかし、いくつかの制約や考慮すべき点があります。具体的には、下記のポイントに配慮するようにしましょう。

  • 設計・構造上の制約
  • 重量制限
  • 防水対策
  • 共用部分の承認
  • 施工時の騒音や振動

マンションの構造や設計によっては、床暖房の施工が制限される場合があります。一部のマンションでは、床の構造や負荷の問題で床暖房が施工できないことがあるでしょう。また床暖房システムは配管や保温材、床材といった構成要素があるため、これらの重量が制限を超えないように配慮する必要があります。床下には適切な防水処理を施し、階下に影響を与えないようにします。

さらにマンションは共同住宅のため、床暖房の施工が共用部分に関わる場合には、管理組合や住民の合意や承認が必要な場合があります。施工作業による騒音や振動が発生する可能性があるため、マンション内での配慮が必要です。深夜や早朝の工事を避けるなど、時間帯や注意事項を守ることが重要です。マンション管理規約をしっかりと確認しておきましょう。

希望に合った設置面積を決める

家全体を床暖房にすれば快適になると思われるかもしれませんが、それには多くの費用が掛かってしまい現実的ではありません。そのため、希望に合った設置面積を上手に計画する必要があります。計画のコツとしては、下記のポイントが挙げられます。

  • 部屋のレイアウトを考慮する
  • 使用頻度や時間帯を考える
  • 断熱効果や効率を考慮する
  • 予算とのバランスを取る
  • 家族構成や生活習慣を考慮する

まずはリビング、寝室、キッチンなど、暖房が必要な部屋やスペースを明確にします。そして床暖房をどれくらいの頻度で利用するか、また利用する時間帯(昼間、夜間など)を考慮します。よく利用する部分に集中して設置することが効果的です。

施工する床面積によって、断熱効果や効率が異なります。広範囲に床暖房を設置することで、暖房効果が高まり、エネルギー効率が良くなる可能性があるでしょう。床暖房の設置面積は、予算とも関連してきます。設置面積が増えればコストも増加するため、予算内で希望の範囲を検討します。また家族の動線や活動の中心地を把握し、そこに床暖房を重点的に設置するのも効果的です。

最終的には床暖房の専門業者やリフォーム会社に相談し、設置面積の適正な範囲や効果的な配置をアドバイスしてもらいましょう。

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まとめ

床暖房はじんわりと優しく部屋を暖めてくれるため、小さい子どもから高齢の方まで快適に過ごしやすい空間が作れます。リビングや寝室といった居室では特に人気の手法ですが、リフォームで新設することも可能です。建物の構造や間取りによっても適した工法や種類は変わってくるので、ご自宅に合った床暖房を選びましょう。リフォームの際には複数社から相見積もりを取り、プロの意見を参考にするのがおすすめです。

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