洋瓦の種類やメンテナンス方法|メリット・デメリットを知って上手にリフォーム

更新日:2024年12月11日

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洋瓦の屋根は、おしゃれで上質な雰囲気になるため人気です。そこで本記事では、主なメリットや特徴、リフォームの際の注意点について詳しくご紹介していきます。これから洋瓦屋根のリフォームやメンテナンスを検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

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洋瓦とは

洋瓦(ようがわら)とは、おもにヨーロッパの地中海地域で使用されている形状や色彩の瓦のことを指します。洋瓦は湾曲した形状が多く、異なる角度で重ね合わせることで独特の立体感を生み出します。一般的にモダンで多彩なデザインが豊富で、赤やオレンジ、茶色といった暖色系の色が多く使用され、建物全体に明るい印象を与えます。

セラミックや粘土が主な素材で、耐久性が高く防水性にも優れています。また瓦一つ一つの厚みがしっかりしているため、遮音性や断熱性においても効果が期待できます。加えて地震対策としての固定工法や軽量化された製品も増え、日本の気候に合わせた仕様も幅広く登場しています。

このように洋瓦は住宅の外観を洋風に仕上げたい場合に最適で、南欧風のデザイン住宅や洋風の商業施設でよく用いられています。

和瓦・スレート屋根との違い

洋瓦と似ている屋根材として、和瓦やスレート屋根があります。まず和瓦は日本独自の瓦で、緩やかな波形と落ち着いた色合いを持つのが特徴です。日本の気候風土に合わせて使用されてきたため、特に耐候性や耐火性が高く日本の伝統建築に適しています。

一方で洋瓦は西洋風の住宅や施設に用いられ、デザイン性に富んでいます。また和瓦と比較すると、洋瓦の方が軽量化が進んでいる製品も多いのが特徴です。

そしてスレート屋根は、粘土瓦に比べて非常に薄くて軽量という違いがあります。そのため、新築やリフォームで多く採用されています。スレート材は比較的安価で施工も簡単なため、洋瓦や和瓦に比べて初期コストを抑えられます。しかし耐久性は和瓦や洋瓦に比べやや劣り、メンテナンスには注意が必要です。

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洋瓦のメリット

ここでは、洋瓦のメリットについてご紹介します。主な特徴を知っておくことで、ご自宅の屋根選びやメンテナンスの際にお役立てください。

デザインがおしゃれ

洋瓦は、南欧風や地中海風のおしゃれなデザインになるのがメリットです。湾曲した形状や重ねた際に生まれる立体感が独特で、外観におしゃれで重厚な雰囲気をプラスできます。

また洋瓦には様々なカラーバリエーションが揃っており、赤やオレンジ、茶色をはじめとする暖色系の色合いが特徴です。これにより、温かみのある印象を与えられます。例えば木造やコンクリート造りの住宅を洋風に仕上げたり、商業施設に個性的な外観を演出したりするのに最適です。

また洋瓦の形状やカラーは、現代的なデザインに合わせたものや、伝統的なヨーロッパのテイストを意識したものなど、幅広い選択肢があります。このように、建物の外観に合わせて個性を反映させやすい点も魅力です。これにより他の建物と差別化しやすくなり、街並みに華やかさを加える役割も果たします。

耐久性・通気性に優れる

洋瓦はセラミックや粘土を主原料とし、特に耐久性の面で優れています。また耐水性や耐火性も高く、台風や豪雨などの厳しい気象条件においても、堅牢な作りで建物をしっかりと守れるのが特徴です。

また自然素材のため、湿気や水分の透過を防ぎつつ微細な空気の循環ができるよう設計されています。これにより屋根裏の換気効率が高くなり、熱気がこもりにくくなるのもメリットです。そして冬季に関しても適度な断熱効果が期待できるため、年間を通じて快適な室内環境の維持に役立ちます。

最近では瓦の重ね方や固定方法も改良が進み、日本の耐震基準に適合するものが増えています。これにより長期的に安定した耐久性を発揮し、建物を維持しやすくなります。

塗装不要な素材もある

洋瓦には、長期間に渡って塗装や再塗装が不要な素材のものが多く存在します。例えばセラミック製の洋瓦などは製造過程で表面が焼成されるため、色落ちや変色がほとんど見られません。これにより、長期間にわたり美しい色合いを保てるのがメリットです。定期的な塗装が不要なため、メンテナンスコストやランニングコストの負担を大幅に軽減できます。

また焼成による表面加工により紫外線や風雨の影響に強く、苔やカビの発生を防ぐ効果も期待できます。このように、常に清潔で美しい外観を維持できる点が魅力です。汚れが付きにくい素材が使われていれば手入れの頻度が少なく済むため、長期的に維持管理の手間を省きつつ建物の美観を保つことが可能です。

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洋瓦の主な形状の種類

ここでは、洋瓦の主な種類についてご紹介します。それぞれの違いを知っておくことで、ご自宅に合ったタイプを選びましょう。

F型

F型(Flatタイプ)は比較的平坦な形状の洋瓦で、シンプルでモダンなデザインになっているのが特徴です。表面が滑らかで厚みが薄いため、洋風のデザインに適しています。またフラットな形状であるため、スタイリッシュでミニマルな外観を演出しやすく、特に現代的な建築によく合います。

またF型は敷き詰めた際に隙間が少なく、雨水の侵入を効果的に防げるという特徴があります。平らで風の抵抗が少ないため耐風性に優れ、台風などの強風に対しても安定した耐久性を発揮します。

こういった理由から、洗練された印象を持つ都市部の建物や、シンプルで統一感のある住宅デザインに向いています。

S型

S型(Spanishタイプ)は波打つようなS字型のデザインが特徴で、地中海風やスペイン風の建物に多く用いられるスタイルです。丸みを帯びた形状が屋根に立体感を与え、外観を温かくリズミカルな印象に仕上げます。

S型の洋瓦は、湾曲した形状が重なり合い、優れた通気性と排水性を備えています。通気性があるため屋根下の湿気を防ぎやすく、断熱効果も期待できるのがメリットです。特に雨水が効率的に流れやすい設計となっており、雨の多い地域でも効果を発揮します。温かみのある色合いが多く、南欧風の住宅やリゾート施設の屋根材として人気が高い形状です。

M型

M型は二重の曲線がM字状に配置された形状の瓦で、S型よりもさらに立体感が強調されたデザインです。複数の曲線が重なり合うことで影の濃淡が生まれ、重厚感があるのが特徴です。湾曲が多い形状のため優れた通気性と排水性が期待でき、雨水や湿気を効率的に排出するのに役立ちます。

またM型の瓦は見た目にも高級感があり、リゾート地や高級住宅地の建物に適しています。色彩も豊富で、モダンなデザインからクラシックなスタイルまで幅広く対応でき、建物に個性的な外観を与えられます。

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洋瓦の主な素材

ここでは、洋瓦の主な素材についてご紹介します。それぞれの特徴を知っておくことで、屋根材選びに活かしてみてください。

粘土瓦

粘土瓦は伝統的な製法で粘土を高温で焼成して作られる瓦で、特に耐久性と美観に優れています。焼成の過程で色が定着するため紫外線や風雨に強く、色あせしにくいという特長があります。

また自然素材であるため環境にもやさしく、風通しがよく湿気がこもりにくいです。さらに断熱効果があり、夏は涼しく冬は暖かい環境を作りやすいのがメリットです。

ただし粘土瓦は他の素材に比べて重さがあるため、建物全体に重量が掛かりやすい点には注意しましょう。特に耐震性が求められる地域では、しっかりと固定する必要があります。また瓦自体の価格が高めで施工費用も高くなる場合が多いため、コスト面での計画が重要です。

粘土瓦の葺き替え相場は1㎡あたり約8,000円~20,000円程度となります。

※処分費及び養生費は別途費用がかかります。
※メーカーや種類によって費用が変わります。
※足場設置費は別途費用がかかります。

金属屋根

金属屋根は軽量で耐久性の高い素材を使った瓦で、主にアルミニウムやスチール、ガルバリウム鋼板などが用いられます。軽量であるため屋根全体の重量が軽く、耐震性に優れている点が大きなメリットです。

また金属素材は施工が容易で、瓦の固定がしっかりとできるため、台風や強風にも耐えられるのが特長です。さらに耐候性が高く錆びにくい加工が施された製品も多いため、長期的に美しい外観を保ちやすくなります。

ガルバリウム鋼板の葺き替えの場合は1㎡あたり約7,000円~15,000円程度となります。

※処分費及び養生費は別途費用がかかります。
※メーカーや種類によって費用が変わります。
※足場設置費は別途費用がかかります。

しかし金属は断熱性が低いため、夏場の暑さや冬場の冷え込みを感じやすいことがあり、屋根裏の断熱材や通気対策が重要です。また雨音が響きやすいので、防音処理を施すなどの工夫も必要となります。

セメント瓦・モニエル瓦

セメント瓦は、セメントと砂を主原料にして作られる瓦です。セメント瓦は粘土瓦に比べて製造コストが低く、価格が比較的安価で洋瓦風のデザインも豊富に展開されています。また色や形状のバリエーションが多いため、デザイン性の高い仕上がりが可能です。ただし吸水性があるため、年月とともに劣化しやすく、ひび割れや苔が生えやすい点に注意が必要です。

セメント瓦の葺き替え相場は1㎡あたり約5,000円~10,000円程度となります。

※処分費及び養生費は別途費用がかかります。
※メーカーや種類によって費用が変わります。
※足場設置費は別途費用がかかります。

そしてモニエル瓦は特に防水性が高いものの、コーティングが剥がれてしまうと劣化が早くなるため、定期的なメンテナンスが重要です。また、セメント瓦・モニエル瓦ともに重量があるので、耐震性を考慮した施工が必要となります。

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洋瓦のメンテナンス方法

ここでは、洋瓦の主なメンテナンス方法についてご紹介します。適切なお手入れを行うことで、ご自宅の外観を美しく保ちましょう。

漆喰の補修

漆喰とは、瓦と瓦の接合部分や棟瓦の土台部分に使われる白色の粘土状の材料のことを指します。隙間に充填することで、風雨から瓦を守る役割を担っています。

しかし時間とともに漆喰が劣化して剥がれやすくなるため、定期的な補修が必要です。漆喰が剥がれると、雨水が瓦の隙間に侵入して屋根材が劣化しやすくなるので、放置すると雨漏りの原因となります。

また漆喰の補修作業には専門知識が必要なため、自己修理よりもプロに依頼するのが望ましいです。補修時には周囲の瓦を一旦外してからの作業が必要で、他の部位への影響も確認するようにしましょう。

棟瓦の修理

棟瓦は屋根の最も高い位置にあり、屋根全体を保護する役割があります。風雨や経年劣化の影響を特に受けやすい部位で、棟瓦がズレたり瓦同士の接合部が緩んだりしている場合には修理が必要です。棟瓦がしっかり固定されていないと強風や台風などの際に瓦が飛ばされる恐れがあるため、定期的に確認しましょう。

棟瓦の修理には専門的な技術が必要なため、自己修理は避け、プロに依頼するのが安全です。特に棟の土台部分の補強や、瓦を固定するための専用の部材を使用することで、安定性を向上させられます。

葺き直し

葺き直しとは、既存の瓦を一度すべて外して土台部分を整備した後に同じ瓦を再度敷き直すメンテナンス方法のことを指します。瓦自体に問題がなく、土台部分の劣化が主な原因の場合に行われます。葺き直しを行うことで屋根の構造や瓦の配置が安定し、屋根の耐久性が向上します。

また、葺き替えに比べて費用が抑えられるのもメリットです。しかし瓦を再利用するため、傷んでいる瓦は交換する必要があり、瓦の状態によっては葺き替えが求められる場合もあります。作業には技術が必要で瓦の取り扱いを誤ると割れてしまう恐れがあるため、専門家に依頼するようにしましょう。

葺き替え

葺き替えとは、古い瓦をすべて撤去して新しい瓦に取り換える大規模なメンテナンス方法のことを指します。屋根全体の劣化が激しく、既存の瓦や土台が長期間の使用に耐えられない場合に行われます。

葺き替えにより瓦や下地の劣化を根本的に解消でき、建物の寿命を延ばす効果が期待できます。さらに新しい瓦にすることでデザインを変えたり、断熱性や防水性が向上したりするなどの付加価値も得られる点が魅力です。しかし他の工法よりも費用や工期が余分に掛かってしまうため、計画的に準備しましょう。

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洋瓦屋根のデメリット・注意点

ここでは、洋瓦屋根のデメリットや注意点についてご紹介します。事前にポイントを知っておくことで、ご自宅の屋根計画に活かしてみてください。

重量が比較的重い

洋瓦は粘土やセメント、金属などの素材を用いたものが多く、重量が比較的重いのがデメリットです。他の屋根材と比べて大きな負荷が建物全体に掛かってしまうため、建物の構造に十分な耐久性が必要となります。

地震の際に建物全体に揺れによるダメージが大きくなるので、耐震性の確保が課題となります。特に日本のように地震が多い地域では、重い屋根材を用いる場合には建物の構造計算をしっかりと行い、基礎や梁の強化や金具での固定が必要です。

またリフォームやリノベーションの際には、軽量な屋根材への変更が求められることもあります。工期や施工時の安全対策にも配慮し、特別な処理が必要な場合には費用面にも注意しましょう。

本体価格や施工費用が高め

洋瓦は美しいデザインや耐久性から人気があるものの、他の屋根材と比較して本体価格や施工費用が高めになる点はデメリットです。特に粘土瓦やセメント瓦は素材の製造コストが高く、種類やデザインによって価格が異なるため、予算の管理に注意しましょう。

さらに洋瓦の施工には専門的な技術と経験が必要で、施工業者も限られることから、施工費が高くなる傾向にあります。修理やメンテナンスの際にも専門の職人に依頼する必要があり、その際の費用も安価な屋根材に比べて高額です。

また慎重に取り扱わないと割れや欠けが発生しやすく、補修や交換費用が追加でかかることもあります。そのため洋瓦を選ぶ際には、初期投資だけでなく長期的なメンテナンスコストも考慮するのがおすすめです。

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洋瓦のリフォームアイディア

ここでは、洋瓦の具体的なリフォームアイディアについてご紹介します。多くのパターンを見ておくことで、ご自宅に合ったタイプを選んでみてください。

南欧風の洋瓦屋根

南欧風の洋瓦屋根は、温かみのある地中海スタイルを取り入れたデザインが特徴です。特に赤やオレンジ系の粘土瓦やセメント瓦がよく用いられます。曲線の美しいフォルムが住宅全体を柔らかく印象づけ、異国情緒を感じさせる外観になります。また南欧風のデザインは日本の風景にも溶け込みやすく、地域に関係なく人気が高いです。特に日当たりの良い地域では、魅力が際立ちます。

ただしリフォームの際には、全体の配色や外装素材との調和が重要です。住宅のスタイルに合わないと浮いた印象になることもあるため、デザイン計画をしっかり立てるようにしましょう。

煙突が素敵な洋瓦屋根

煙突付きの洋瓦屋根は、ヨーロッパの田舎の家を思わせる温かみのある外観を作り出すアイディアです。煙突が加わることで洋瓦のデザインが一層引き立ち、家全体がクラシックで重厚な印象を与えます。

ただし実際に暖炉やストーブを使用する場合には、煙突の位置や素材、内部の構造に十分な配慮が必要です。煙突を追加する場合は屋根の防水対策や耐熱処理を確実に行う必要があり、工事には専門技術が求められます。メンテナンス時には瓦との接合部分も定期的に点検し、ひび割れや漏水がないか確認しましょう。

シンプルスタイルの洋瓦屋根

シンプルスタイルの洋瓦屋根は、無駄のないデザインでモダンな住宅や和洋折衷の住宅にも取り入れやすいのが魅力です。特にS型やF型の洋瓦を単色で配したシンプルなデザインは、すっきりとした印象を与え、現代的な住宅デザインにも調和します。派手さを控えたデザインのため、洋風と和風どちらの建築スタイルにもマッチし、長期間飽きがこない点がメリットです。

ただしシンプルなデザインだからこそ、瓦の質感や素材選びが重要となります。安価な素材を選ぶと屋根全体の耐久性が低下する恐れがあるため、耐久性とコストのバランスを考慮して選定しましょう。色褪せや汚れが目立ちにくい色を選ぶとメンテナンスがしやすく、定期的な清掃や簡易補修で美観を保ちやすいです。

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まとめ

洋瓦の屋根はおしゃれな雰囲気になるのが魅力で、新築やリフォームで人気が高いです。本記事でご紹介した注意点やポイントを参考に、ぜひご自宅の外観を素敵にメンテナンスしましょう。

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