最近のキッチンリフォームでは、ガスコンロからIHヒーターにリフォームするケースが増えています。そこで本記事ではそれぞれのメリット・デメリットや、具体的なリフォーム内容についてご紹介していきます。IHヒーターの種類別にまとめた費用の目安についても、ぜひチェックしてみてください。
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ガスコンロとIHヒーターの比較
「いままでガスコンロを使っていたけれど、IHヒーターにリフォームしたい」と検討される方が増えています。IHヒーターは年々人気が高まっており、便利なイメージが広まっています。しかし安易に変更してしまうと「ガスコンロの方が使いやすかった…」と後悔してしまう場合もあり、注意が必要です。
ここでは、ガスコンロとIHヒーターの違いについて比較をご紹介します。リフォームではガスコンロからガスコンロに変更することも多いので、ご自宅の状況やライフスタイルに合ったタイプを選ぶことが重要です。主なメリット・デメリットを知っておくことで、後悔の無いリフォーム計画に活かしてみてください。
ガスコンロ
ガスコンロは、燃料にガスを用いるタイプの調理器具のことを指します。都市ガスやプロパンガスを利用して、火力で調理するのが特徴です。
ガスコンロの口は、キッチンの広さに応じて1~4口タイプ等があります。一般的な戸建て住宅では、3口タイプが設置されているケースが多いです。他にも魚焼きグリル・オーブンといった加熱用調理器具が組み合わさっている場合もあります。
光熱費
ガスコンロの1時間当たりの光熱費の目安は、下記の通りです(都市ガス45MJ/m³・183.95円/m³の場合)(石油連盟サイトより、2024年5月のデータを引用)。
- 弱火:約5.2円
- 中火:約26.4円
- 強火:約45.5円
基本的に火力が強い方がガス代も高くなるため、工夫して調理を行うのがおすすめです。時間の掛かる煮込み料理の場合には電子レンジで下ごしらえをしておく等、他の調理方法の併用も検討しましょう。
メリット
ガスコンロのメリットとしては、下記の点が挙げられます。
- 火力が強い
- 火力の調節がしやすい
- 停電でも使える
- 光熱費が比較的安い
- 対応できる調理器具の種類が多い
ガスコンロは、瞬時に強力な火力が出るのが特徴です。これにより調理時間を短縮したり、大量の食材を一度に調理したりできます。またガスコンロは、火力を細かく調節することも可能です。ダイヤルを回すことで火力調整を直感的にできることで、料理の焼き加減や調理の状態を簡単にコントロールできます。
また電力が必要ないため、停電時でも調理することが可能です。エネルギー源を電気とガスに分散させておくことで、ライフラインが分断された場合の安心感が高まります。そしてガスコンロの稼働コストは、電気と比べると比較的低いです。使用量や時間帯によって状況は異なりますが、一般的な都市ガス料金は電力よりも安価であり、燃料の消費量も少なく済みます。
ガスコンロにはさまざまなタイプやサイズがあり、キッチンのスペースや調理ニーズに合わせて選択できます。またガス調理に使える鍋やフライパンの種類は豊富なので、使いたい器具を選びやすいのもメリットです。好きなデザインや機能の調理器具を選びやすくなることで、キッチンでの作業が楽しくなります。
デメリット
ガスコンロは一般的な家庭で使われていますが、いくつかのデメリットもあります。主に、下記のような内容が挙げられます。
- 安全性の懸念
- メンテナンスの必要性
- 火力制御が手動になる
- 都市ガスは災害時の復旧が時間がかかる
- 環境への影響
ガスコンロは、ガスの燃焼によって熱を発生させる仕組みです。もし十分な換気が確保されていない場合や、不適切な取り扱いが行われている場合には、火災やガス漏れなどの安全上のリスクがあります。そのためガスコンロでは、定期的な点検や清掃が必要です。バーナーやガス管の詰まり、点火装置の故障などが起こらないように、適切なメンテナンスをすることが求められます。またガスコンロは、火力の調節できる範囲がある程度限られています。IHのように目盛りで制御できず手動になるため、特に低い火力で使いたい場合、正確な制御が難しい場合があります。
エネルギー源には天然ガスやプロパンガスなどの燃料を使うため、災害時等に燃料の供給が停止した場合や、ガスボンベが空になった場合には調理ができなくなります。特に導管によるエリア供給である都市ガスは、災害時の復旧が遅れるケースが多いです。ライフラインが寸断されると生活に支障が生じるため、代替手段を講じておくのがおすすめです。
IHヒーター
IHヒーターとは、電磁誘導を利用して熱を発生させる調理器具のことを指します。「Induction Heating(インダクション・ヒーティング)」の頭文字を取って、IHヒーターと呼ばれています。鍋やフライパンの底部にある導電性の材料を使用して、磁界を生成します。これにより調理器具の底部が加熱され、食材を加熱調理できる仕組みです。
IHヒーターは電気エネルギーを直接熱に変換するため、エネルギーの損失が少なく効率的に調理できます。また、加熱速度も比較的高速です。火を使わずに電気で加熱するため、火災の危険性が低いのも特徴です。さらに、電力の制御によって精密な温度調節が可能です。これにより、料理初心者の方でも特定の温度での調理や加熱時間の調整がしやすくなります。IHヒーターは近年人気が高まっており、高い効率性と安全性から多くの家庭や商業施設での利用が広がっています。
光熱費
IHヒーターの1時間当たりの光熱費の目安は、下記の通りです(春・秋の電気使用料少ない時期の場合で計算)。(<4人家族、スタンダードS(東京電力エナジーパートナー) 2024年4月1日以降>
春・秋の電気使用料少ない時期:121kWh〜300kWh 36.40円
夏・冬の電気使用料多い時期:301kWh〜 40.49円)。
- 弱火:約3.6~13.9円
- 中火:約17.4~36.4円
- 強火:約52.2~89.4円
ちなみに光熱費は、「消費電力(W)÷1,000×稼働時間(h)×1kWhあたりの電気代(円/kWh)」の計算式で求められます(東京電力サイトより引用)。ただし電気料金は、使用する時間や契約プランによって金額に差が生じます。もしくは屋根に太陽光パネルを設置している場合であれば、これより電気料金が安くなるケースもあります。家庭によってそれぞれの状況は異なるので、あくまでも目安として参考にしてみてください。
メリット
IHヒーターはガスコンロより新しく登場した調理スタイルですが、最近人気が高まっています。具体的なメリットとしては、下記の点が挙げられます。
- 熱効率が良い
- 安全性能が高い
- 細かい温度調節が可能
- 部屋が暑くなりにくい
- 初心者でも使いやすい
- 掃除がしやすい
IHヒーターは電磁誘導によって直接的に調理器具を加熱するため、エネルギーの損失が少なく、非常に効率的に加熱できます。これにより調理時間の短縮に繋がり、電気の使用量が削減されます。また火を使わずに調理器具を加熱することで、火災のリスクが低いという点もメリットです。加熱面が直接触れられない設計になっているため、やけどの危険性も低くなります。さらに自動的に電源を切る機能が備わっているタイプの製品であれば、誤操作による事故を防ぐことも可能です。
またIHヒーターは、電力の制御によって精密な温度調節が可能です。これにより、特定の温度での調理や加熱時間の調整がしやすくなっています。一度設定した温度を一定に保つことができるため、比較的焼き加減が管理しやすいです。操作も簡単で、タッチパネルやダイヤルなどの操作パネルで直感的に扱えます。料理初心者の方でも、火力や温度の調節を簡単に行えて便利です。
IHヒーターは火を使わず、二酸化炭素や煙を発生しないため、調理時の室内空気の品質を保てます。ガス火よりも室温が上がりにくいことから、夏場の調理でも比較的快適に行えるのもメリットです。またガスコンロとは違って加熱面が平らで、フラットな形状をしています。そのため油汚れや吹きこぼれが発生しても、サッと拭くだけでお手入れが完了します。キッチン周辺は特に汚れやすい場所なので、メンテナンスがしやすいことで毎日の家事ストレスも軽減できておすすめです。
デメリット
IHヒーターは優れた設備ですが、デメリットも存在します。具体的には、下記のような点が挙げられます。
- 専用の調理器具が必要
- 初期コストが高い
- 電力エネルギーに依存する
- 使い慣れるのに時間が掛かる
- 災害に弱い
IHヒーターを使用するためには、「IH対応」と表示されているタイプの調理器具が必要です。これらの調理器具は導電性の材料でできており、IHヒーターによって生成される電磁誘導に反応します。従来まで浸かっていた通常の鍋やフライパンを使おうと思っても、そのまま使用できない場合があるため注意しましょう。
またIHヒーターの本体や専用の調理器具は、一般的にガスコンロなどの他の調理器具よりも高価です。専用の設備を新たに購入する必要があるため、初期投資が大きくなる場合があります。また電気を使用して動作するので、電力の供給が必要です。停電時には使用できなくなるため、非常時の調理の際には対策が求められます。場合によっては使用中の電力消費量が高くなることがあるため、電気料金が急に高くなったと感じるケースも見られます。
そしてIHヒーターは高温で加熱しますが、ガス火のように炎が目に見える訳ではないため、誤って触れることで火傷等のケガに繋がる危険性があります。従来のガスコンロや電気コイルヒーターとは異なる調理特性があることから、慣れるまでは調理しにくいと感じるかもしれません。
またガスを使わないことで、災害時に停電が起こるとエネルギー源が絶たれてしまいます。そのためリスクを考慮して、あえてガスを残すケースも多いです。こういったデメリットを考慮して、ニーズやライフスタイルに合った調理器具を選択することが重要です。
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IHヒーターへのリフォーム価格
ここでは、IHヒーターにリフォームする場合の価格の目安をご紹介します。ただし元々のコンロのタイプや工事範囲によって価格に幅が生じるため、一概に金額を把握することは難しくなります。もしご自宅の状況やご希望に合わせたリフォーム価格が知りたい場合には、無料見積もりサイトを利用してみるのがおすすめです。複数のリフォーム業者の見積もりを比較することで、具体的な金額や工事内容が把握しやすくなります。
IHヒーターの本体価格
IHヒーターの本体価格の目安は、IHの種類やサイズにランクによっていろいろありますが、一般的なW600サイズで約4万円~約16万円程度となります(※設置費、撤去費は別途)。ただし実際の費用は、ブランドやモデル、機能、サイズなどによって異なります。一般的に高機能で大型のIHヒーターは、より高価になる傾向があります。また一体型のコンロや単体のヒーターユニットなど、形状やタイプによっても価格が変わることがあります。
基本的なタイプの場合には、温度制御や火力調節、安全機能といった機能が備わっています。また機器によっては、タイマー機能や保温機能が付けられたタイプもあります。タイマー機能を使うことで、調理時間を設定しておけば、指定した時間が経過した後に自動的に電源が切れるため安全です。煮込み料理や鍋料理といった時間が掛かるメニューも、簡単に挑戦できて便利です。
ただし具体的な価格は、販売店やオンラインショップでの販売価格やキャンペーン価格、地域や時期によって異なります。また、付属品や保証、サポート内容なども価格に影響を与える場合があります。IHヒーターを購入する際には、予算やニーズに合ったモデルを選択することが重要です。
IHヒーターの工事費用
ここでは、IHヒーターの工事費用についてご紹介します。工事は、IHヒーターの取り付け方法によって価格に差が生じます。ご自宅の既存コンロの状態に合わせて、適切なタイプを選びましょう。
①ビルドインタイプ
ビルドインタイプのIHヒーターとは、キッチンカウンターや調理台などに埋め込んで設置されるタイプのことを指します。一般的には、キッチンのカウンターの端部に設置されることが多いです。ビルドインタイプは、カウンターにスムーズに統合されるように設計されています。これによりキッチン全体のデザインに調和し、美しい外観を実現します。
IHのみ取替は約2万円~3万円程度です。ただし、電気工事やガスの閉栓が必要な場合は別途費用が掛かります。(電気工事は約3万円~4万円程度、ガスの閉栓は約5千円~2万円程度です。)
※既存コンロの処分費及び養生は別途費用がかかります。
余計な出っ張りが無いことで、スペースを節約できます。またカウンターとの隙間が少ないため、掃除が簡単という点もメリットです。食材や調理物がこぼれやすい箇所が少なくなり、清潔を保ちやすくなります。
またビルドインタイプのIHヒーターは、キッチンカウンターや調理台にしっかりと固定されるため、安定感があります。誤って触れて落下するといった心配が無いため、小さい子どもやペットのいる家庭でも安心して使えます。最近では主流のタイプであり、デザインの種類も豊富です。キッチンのデザインやレイアウトに合わせてサイズや形状、機能などを選択することで、理想のキッチン環境を実現できます。
②据置タイプ
据置タイプのIHヒーターは、キッチンのカウンターや調理台の上に置いて使用するタイプのことを指します。組み込み式のビルトインタイプとは異なり、キッチンのレイアウトや設計に合わせて比較的自由に配置できるのが特徴です。既存のキッチンカウンターをそのまま使いながら、コンロ部分だけを交換できます。
据え置きの取替費としては約2万円前後です。ただし、電気工事やガスの閉栓が必要な場合は別途費用が掛かります。(電気工事は約3万円~4万円程度、ガスの閉栓は約5千円~2万円程度です。)
※既存コンロの処分費及び養生は別途費用がかかります。
据置タイプは、基本的に特別な設置作業や工事が必要ありません。コンセントに接続するだけで使用できるため、工事費用や期間が削減できるというメリットもあります。ただしIHクッキングヒーターでは消費電力が大きいことから、200Vコンセントの設置工事が必要になる場合が多いです。ご自宅のコンセントの状況が分からない場合には、必ずリフォーム専門業者や電気工事店に相談してみましょう。
また工事が手軽なことから、ビルトインタイプよりもコストが低くなります。キッチン全体の改装やリフォームが難しい場合や、賃貸住宅などで利用されることが多いです。本体にはボタンやダイヤルなどの操作パネルが備わっており、火力や温度の調節が簡単に行えます。機器によっては、焦げ付きお知らせ機能や電気代表示機能が付いているタイプもあります。
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IHヒーターへのリフォームの注意点
ここでは、IHヒーターにリフォームする場合の注意点をご紹介します。失敗しやすいポイントや注意点を知っておくことで、後悔の無いリフォーム計画に活かしましょう。
工事できない場合もある
IHヒーターは電気を使用して加熱するため、設置場所には十分な電気容量の設備が必要です。しかし古い戸建や集合住宅などでは、電気設備が古くて十分な電気容量を確保できない場合があります。別途配線工事が必要になるケースもあるため、必ず専門業者に相談するのがおすすめです。
またキッチンのレイアウトや設計によっては、IHヒーターを設置するスペースが確保できない場合があります。特にビルトインタイプのIHヒーターを設置する場合は、カウンターのサイズや形状に合わせて調節する必要があります。さらにキッチンのレイアウトを大幅に変更する場合や、新しいIHヒーターを設置する場合には、給排水設備の移動が必要です。給排水設備の移動には大掛かりな工事が必要であり、建物の構造や配管の配置によっては難しい場合があります。建物の構造や電気設備、給排水設備などの制約を考慮しながら、適切なリフォーム計画を立てましょう。
電気系統の事前確認が必要
IHヒーターは高出力の電気を必要とするため、設置場所の電気容量が足りているかを確認する必要があります。他の電気家電や照明と同じ回路に接続してしまうと、電気容量が足りずに電力不足となります。そのためIHヒーターを設置する前に、専用回路を設置するか、既存の回路容量を確認する必要があります。もし不足している場合、IHヒーターの使用中にブレーカーが落ちるなどの問題が発生してしまうため、注意しましょう。
また既存設備がガスコンロの場合、ガス配管の撤去工事も必要です。配管設備がIHヒーター設置場所の邪魔になってしまうのであれば、適切に工事を行いましょう。基本的にはガス事業者に依頼する形になるため、余裕を持った工期を見ておくと安心です。
業者選びが重要
IHヒーターの設置やリフォームには、専門的な知識と技術が必要です。経験豊富な業者や電気工事業者を選ぶことで適切な工事が可能になり、安全性や耐久性が確保できます。業者選びの際には、適切な資格や許可を取得し、保険に加入しているかをチェックしましょう。信頼できる業者を選ぶことで、リフォームの満足度が高くなります。
また過去の顧客の口コミや評判、施工実績などを参考にすることで、業者の信頼性や技術力を判断しやすくなります。インターネット比較サイトを利用すれば、複数の業者を比較することも可能です。できれば2~5社から相見積もりを取り、料金や工期、サービス内容などを比較検討するのがおすすめです。その際は「価格が安い」というだけで選ばず、品質や信頼性を総合的に考慮して最適な業者を選ぶようにしましょう。要望や疑問に対して適切なコミュニケーションをとってくれる業者を選ぶと、アフターサポートも安心しておまかせできます。
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まとめ
ガスコンロからIHヒーターにリフォームすることで、安全性が高くメンテナンスもしやすいキッチンに変わります。環境にも優しい選択肢としてもおすすめなので、本記事の内容を参考にしてぜひリフォームを検討してみてはいかがでしょうか?
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