耐震リフォームとは|リフォーム事業者選び工事方法を解説

更新日:2024年01月31日

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住宅の耐震性能が基準に達していないと、万が一の地震の際に倒壊する危険性があります。本記事では耐震リフォームの種類や方法、具体的な費用についてご紹介していきます。築年数の古い住宅にお住まいの方は、ぜひリフォームで安心な住まいを実現しましょう。

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耐震リフォーム工事とは?

ここでは、耐震リフォーム工事の概要や最新基準についてご紹介します。

地震の揺れに強い建物にする

耐震リフォーム工事とは、建物を補強して十分な耐震性を持つようにするリフォーム工事のことを指します。木造では部分破壊は許容し、阪神大震災クラスの地震が来ても倒壊しないことを目指します。木造の場合、具体的には「壁を強くする、接合部をつなぎとめる、基礎のひび割れを補修する」といった方法で工事します。

最新の耐震基準とは?

建築物を作る際には、必ず耐震基準を満たす必要があります。その時代に合わせて建築基準法は適宜改正されており、強度もアップデートされているのです。主に1981年より前を「旧耐震基準」、それ以降を「新耐震基準」、さらに2000年以降を「現行耐震基準」と呼びます。

旧耐震基準では震度5レベルを想定した強度でしたが、新耐震基準では震度6~7レベルでも倒壊しない強度に引き上げられています。これは、1978年に起こった宮城県沖地震での被害を鑑みて改正されたという経緯があります。そして2000年の法改正では現行耐震基準が定められ、壁量のバランスや接合金物の細かな指定が追加されました。

2000年以降の建築物であれば、安全性に問題はありません。しかし築年数の古い住宅等は旧耐震基準のままであるため、強度不足の可能性が高いです。適切な耐震リフォームを行うことで、安全な住まいに変える必要があります。

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耐震対策の種類

ここでは、主な耐震対策の種類についてご紹介します。「耐震・制震・免震」という言葉を聞いたことはあっても、違いはよく知らないという方は多いのではないでしょうか。それぞれの特徴を知ることで、リフォーム計画に活かしてみてください。

耐震

耐震とは、地震による揺れや力に対して建物が耐える力を持たせることで、地震の影響を最小限に抑える手法です。耐震は主に木造、鉄骨造(S造)、鉄筋コンクリート造(RC造)で行います。木造住宅の場合は筋交いを入れたり、補強金具で固定したりするのが一般的です。壁や天井の仕上げの一部を解体・撤去する必要がありますが、耐震補強としては最も基本的な補強になります。

建物の重心や質量の配置を適切に行うことで、地震時の揺れを安定させ、倒壊を防ぐ効果があります。工事後も、定期的な耐震診断や点検を通じて建物の耐震性を評価します。

さらに地震力の負荷が掛かりやすい床や屋根といった部分を支えるために、柱や梁をバランスよく補強する必要があります。リフォーム前に耐震設計を行い、建物の構造部に強靭な材料や構造を使って地震に対する強度を高めます。これにより、建物が揺れや地震力に耐えられるようにします。

制震

制震は、制震装置(ダンパー)を利用して地震による揺れを吸収・制御し、建物に与える影響を軽減する方法です。制震は主に、鉄骨造(S造)で行います。木造で制震ダンパーを付けることもできますが、割高になるためあまり用いられません。地震時に制震装置が駆動することで、揺れや振動を減衰させるのが特徴です。制震装置は建物内部に取り付けられ、地震の際に発生する揺れや振動を減衰する役割を果たします。制震装置の主な種類としては、次のようなものがあります。

  • ゴムダンパー
  • 鋼材ダンパー
  • オイルダンパー

ゴムの弾性や金属の曲がるときの力を利用し、揺れのエネルギーを熱に変換します。またオイルダンパーでは、車のショックアブソーバーの技術を応用して内部のオイルが揺れを吸収します。比較的小型な装置なので、小さな揺れにも対応できるのがメリットです。

ただし、費用面からあまり個人宅でのリフォームで利用される機会は少ないと言えます。

免震

免震構造は、地震の揺れから「免れる」ための対策を指します。この技術は、地盤からの振動を建物に直接伝えないよう縁を切ることで、地震の影響を最小限に抑えることを目指します。免震構造では建物を地盤と分離させることで、地震エネルギーを建物に吸収させないようにします。宙に浮いているというわけではなく、建物と地盤との間に免震装置を挟む構造です。地震の揺れを建物に直接伝えないようにするため、大地震でも被害が少なくなります。

家具の倒壊や内装の被害が少ないため、地震後の復旧作業が比較的楽になります。ただし大掛かりな装置が必要になるため、一般住宅ではあまり見られません。基本的には、都心部での大型ビルや高層マンションで採用されるケースが多いでしょう。免震は主に、鉄骨造(S造)、鉄筋コンクリート造(RC造)で行われます。

ただし「制震」と同様に、個人宅でのリフォームで利用される機会は少ないと言えます。

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耐震リフォームが必要な家の特徴

ここでは、耐震リフォームが必要な家の主な特徴をご紹介します。「自分の家は大丈夫だろう」と思っていても、思わぬ欠陥により被害を受けてしまう可能性は十分にあります。特徴に該当する場合には、設計士・専門家に「耐震診断」をしてもらいましょう。

旧耐震基準で建築された建物

1981年より前に旧耐震基準で建築された建物は、現在の耐震基準と比べて地震に対する安全性が低い可能性があります。

日本は、地震大国とも呼ばれるほど災害が多い国です。そのため大きな地震が発生する度に耐震基準が改正され、建築物に求められる耐震性能が向上してきました。新しい基準に則って建築された建物は、より地震に強い構造や設計となっています。これに対して旧耐震基準で建築された建物は、現行の基準に比べて耐震性能が劣っている可能性が高いでしょう。

そのため旧耐震基準で建築された建物に対しては、現代の耐震基準に適合するようなリフォームや補強がおすすめです。これを耐震リフォームと言います。これにより建物の構造や基礎、壁などを補強・改修して、現行の基準に適合できます。

ただし具体的な耐震リフォームの必要性は、建物の状態や立地、地震リスクなどに依存します。建物の安全性を確保して災害時のリスクを最小限に抑えるためには、専門家の意見や耐震診断をもとに判断することが重要です。

軟弱な地盤に建っている

建物が軟弱な地盤に建てられている場合、耐震リフォームが特に重要になります。軟弱な地盤は地震時に揺れが大きく、建物の被害を招く要因となるからです。具体的には、下記のような場合は注意しましょう。

  • 急斜面の近く
  • 川や湖沿い
  • 埋立地
  • 盛土・切土

一見普通に見えても、こういった土地は地震の際に建物に悪い影響を与える可能性が高くなります。埋立地や地下水位が高い場合は、地盤沈下や液状化を起こす恐れがあり、建物の基礎に大きな負荷がかかり、建物が沈下や傾斜する可能性が高まります。建物自体の耐震性能が低い場合には、損傷が大きくなるケースもあるでしょう。

対策としては、建物の補強、柱や梁の交換、基礎の補強、耐震材の導入により、地震時の被害を最小限に抑えることができます。建物が軟弱な地盤に建っているかどうかは、地盤調査を通じて確認されます。もし軟弱な地盤に建っている建物であれば専門家に相談し、耐震リフォームの必要性を検討しましょう。

1階の壁面積が少ない

1階には2階以上の荷重が掛かるので、特に手厚い補強が必要になります。しかし、現行の建築基準法では建築士(建物規模に応じて一級建築士、二級建築士)による構造の確認は必要ですが、構造計算の提出義務はありません。(三階建て以上または延べ面積が500平方メートルを超える木造建築物は構造計算の提出が必要)

もちろんしっかりとした基準を設けて壁量を増やしている工務店が大多数ですが、中には壁量不足のまま竣工してしまうケースもあると考えられます。こういった事情から、1階の壁面積が足りていない場合には注意が必要です。

1階の壁面積が少ない場合、建物全体の耐震性能や地域の地震リスク、地盤の状態によっては耐震リフォームが必要な場合があります。建物の耐震性を確保するためには、専門家のアドバイスを受けながら検討することが重要です。リフォームの必要性は1階の壁面積だけでは判断できないので、総合的な状況を見て判断しましょう。

地震がなくても揺れを感じる

建物が地震以外の要因によって揺れる場合、耐震性能や構造の安定性に問題がある可能性があります。揺れを感じる原因としては、以下のいくつかの要因が考えられるでしょう。

  • 風や振動
  • 建物の老朽化
  • 地盤の状態悪化
  • 構造の問題

台風等での強風や近隣の振動、交通の振動などが建物に影響を与えることがあります。また建物が古くなると構造材料の劣化や変形が進み、安定性に影響を与えることが多いです。地盤の状態が悪い場合も、地盤沈下や不安定性が建物の揺れを引き起こす可能性があります。

これらの状況で揺れを感じる場合、耐震リフォームや構造の点検、修理が必要となる可能性があります。地震以外の要因でも建物が揺れる場合は、その原因を特定し、必要な対策を行うことが安全の確保に繋がります。

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地震対策のリフォーム工事の方法

ここでは、一般住宅での地震対策のリフォーム工事の方法についてご紹介します。具体的な工事内容を知っておくことで、ご自宅に合った地震対策が取りやすくなるでしょう。

耐震のリフォーム工事方法

住宅の耐震リフォームは、地震の影響を受けにくくするために行われる重要な工事です。一般的な耐震リフォームの工事方法やアプローチには、下記の工程が含まれます。

  • 現状調査
  • 耐震診断
  • 耐震設計(補強方法の設計)
  • 基礎・壁などの補強工事

大規模な改修が必要であれば、建物全体の耐震性を高めるため、新しい耐震基準に基づいて設計し直すことがあります。これには柱や梁の配置の見直しや、新たな耐震材料の導入が含まれます。建物の状態や地震リスク、予算などを考慮しながら、適切な耐震リフォーム方法を選択しましょう。

補強工事では、既存の建物の構造や基礎、壁などに補強材や補強部材を追加することで、地震時の耐震性を向上させます。一般的には、構造用合板や壁補強部材による壁補強、柱と土台や梁との接合部への金物設置、屋根の軽量化、腐れやシロアリ被害など劣化の改善などがあります。また建物の基礎に関しても、地震時の力を受け止める重要な要素となります。基礎の補強には、既存の基礎の補強などが含まれます。場合によっては、床や壁、柱の下に耐震パッドを設置することがあります。

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耐震リフォームで利用できる制度

ここでは、耐震リフォームで利用できる制度についてまとめています。補助金制度やリフォームローン、減税といった仕組みを利用すれば、リフォーム費用が大幅にお得になる可能性があります。ただし利用には一定の条件がある他、期日が定められていることも多いです。実際に活用する際には、必ず詳細を確認するようにしましょう。

耐震補強工事に対する補助金

耐震補強工事を行う場合、各種補助金が利用できるケースがあります。全国規模で実施されている補助金は少ないですが、各自治体で独自に行っている制度には多くの種類があります。

たとえば、東京都千代田区では「木造住宅の耐震化促進助成」を行っています。これは、高齢者等が居住する木造住宅の耐震診断・耐震改修等に要する費用を助成するものです。補助金額は、耐震診断で「15万円」、耐震改修で「120万円」等となっています。耐震診断の結果、補強が必要となった場合に助成が下ります。

この他にも、各自治体でリフォーム補助金を実施しているケースが多いです。それぞれのお住まいの地域によって状況は異なるので、ぜひ公式サイトを確認してみましょう。

耐震改修/補強に使えるリフォームローン

耐震を目的としたリフォームを考えている方向けに、専用ローンを用意している金融機関は多いです。利用には「住宅に耐震改修工事を行う」、「借入申込時の年齢が満79歳未満の方」といった条件があり、満たした場合に審査が通ります。

ただし新築時のローンに比べると金利が高く、借入限度額も少なめとなります。返済期間も短くなるので、定年後の収入が安定しないといった場合には返済が厳しくなる可能性があります。

耐震リフォーム後の減税

国税庁では、マイホームについて住宅耐震改修を行った方を対象に所得税の控除を行っています。適用要件は、以下の3点です。

  • 1.昭和56年5月31日以前に建築された家屋であって、自己の居住の用に供する家屋であること。
  • 2.耐震改修(地震に対する安全性の向上を目的とした増築、改築、修繕または模様替え)をした家屋が、現行の耐震基準に適合するものであること。
  • 3.2以上の住宅を所有している場合には、主として居住の用に供すると認められる住宅であること。

控除を受けるためには、確定申告書による税務署での手続きが必要になります。

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耐震リフォームの業者選びでチェックするポイント

耐震リフォームを行うには、専門業者に依頼する必要があります。「どの業者に頼んでも同じでは?」と思われがちですが、じつは業者によって実績や施工能力に大きな違いがあります。適切な業者を選ぶことで、失敗が無く安全な耐震リフォームを実現しましょう。

耐震リフォームの実績が豊富

耐震リフォームを行う際には、実績が豊富な業者を選ぶことが重要です。実績豊富な業者は、過去の耐震リフォームでの経験や知識を活かして、安全で効果的な耐震リフォームを提供してくれるでしょう。技術力やリフォームに関する知識を持っているのはもちろんですが、その地域特有の気候や災害リスクについても詳しいため安心です。

業者選びの際には、過去の顧客の満足度や評価を確認することで、実績の信頼性を判断することができます。比較サイト等を利用して、口コミや評判をチェックするのがおすすめです。

耐震診断や耐震補強工事で必要な資格を持っている

耐震リフォームを行う際には、必要な資格を持っている業者を選びましょう。具体的には、「耐震改修技術者講習」の資格の有無が基準になります。国土交通大臣登録耐震診断資格者講習を受講した建築士のみが持っている資格なので、専門知識の目安になるでしょう。

補助金制度の知識があるか

リフォームでは、補助金制度を利用すると費用をお得にできます。しかし補助金制度は自分で申請しないと補助金がもらえないのが普通なので、情報を知らないとそのまま見逃してしまうことも多いです。そのため業者選びの際には、補助金制度の案内をしてくれるかどうかもチェックしましょう。

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まとめ

築年数の古い住宅の場合、耐震性に問題があるケースが多々あります。地震はいつ起こるか分からないからこそ、今後の住まい方をしっかりと考えることが大切です。まずは設計士や専門家に相談し、耐震診断を行うのがおすすめです。費用対効果の高いリフォームを実施しておくことで、安心・安全な住まいを実現しましょう。

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