リフォーム契約書とは|よくある疑問を解説

更新日:2024年07月24日

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リフォーム契約時には、契約書や約款といった書類を交わします。本記事では、各書類の概要や契約時の注意点について詳しくご紹介しています。これからリフォームをお考えの方は、契約する前にぜひチェックしてみてください。

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リフォームの契約書とは

リフォーム契約書は、正式には「住宅リフォーム工事請負契約書」といいます。リフォーム工事の内容や条件を定めた書面であり、依頼主と工事業者の間で取引を行う際に使用されます。工事内容や期間、費用についての詳細等が記されているため、一般的な工事で広くやり取りされています。

トラブルの予防や円滑な取引を行うために、契約書作成時には注意深く内容を確認することが重要です。最近では紙の契約書ではなく「電子契約書」の導入も広がっており、いつでもどこでもサインできる点が便利です。

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リフォーム契約書のポイント

ここでは、リフォーム契約書を交わす際のポイントについてご紹介します。リフォームは頻繁に行うものではないため分かりづらい点も多いですが、契約書は必ず確認するようにしましょう。

必ず契約書を交わす

契約書は法的な文書であり、双方の合意や取り決めを明確にします。そのため万が一トラブルが生じた場合でも、契約書が存在することで法的な保護を受けられるのです。また契約書によって、依頼主と工事業者の間でのトラブルを未然に防げます。双方が合意した内容に基づいて工事が進行すれば、工事が円滑に進みやすくなります。

ただし100万円未満の小規模工事の場合は、注文書・請書で済ませる場合もあります。工事請負契約書を結ぶことは必ずしも義務ではないので、工事金額の合計によって、契約書にするか、注文書・請書にするかを確認しましょう。

押印前によく確認する

リフォーム契約書には工事内容や条件、支払い条件などが記載されます。押印前に内容をよく確認することで、間違いや誤解の防止につながります。不明確な点や疑問点が見つかった場合にも、工事業者と話し合いを行って解消しておけば安心です。契約書の内容を注意深く確認し、双方が納得のいく条件で契約を結びましょう。

収入印紙の有無をチェックする

収入印紙は、契約書における法的要件の一つです。一定金額以上の契約には、収入印紙の貼付が法律で義務付けられています。収入印紙が貼付されていない場合、過怠税が課せられてしまうことがあるため注意が必要です。収入印紙の有無を事前にチェックすることで、将来的なトラブルを予防しましょう。

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リフォーム契約で使う書類

ここでは、リフォーム契約の際に使われる書類についてまとめてご紹介します。普段はあまり聞きなれていない言葉が多いため、いざ契約となった段階で困惑してしまうことも多いです。そのため事前にしっかりチェックしておくことで、失敗のないリフォーム計画に活かしてみてください。

工事請負契約書

「工事請負契約書」とは、リフォーム工事を依頼する際に工事業者と取り交わす正式な契約書のことを指します。具体的には、工事の内容や条件、費用、工期、支払い方法など、契約に関する重要な事項が詳細に記載されています。以下に、工事請負契約書に一般的に含まれる主な項目を説明します。

  • 契約当事者の情報
  • 工事の内容
  • 工事期間
  • 工事費用と支払い方法
  • その他の特記事項

工事請負契約書には、依頼者と業者の間の合意内容を明確にし、後々のトラブルを避けるという目的があります。契約書の内容を十分に確認し、不明な点や疑問がある場合は、契約前にしっかりと業者に確認することが大切です。

工事請負契約約款

「工事請負契約約款(読み方:こうじうけおいけいやくやっかん)」とは、リフォーム工事を依頼する際に工事業者との間で締結する契約の詳細な規定を定めた書類です。この約款には、リフォーム契約書では記載しきれない細かな事柄が記載されています。

一般的な住宅リフォームでは、国土交通省による「民間建設工事標準請負契約約款」や民間(七会)連合協定による「工事請負契約約款」が使用されることが多いです。具体的には、下記のような項目が含まれます。

  • 契約変更や中止について
  • 費用の支払いについて
  • 保証とアフターサービス
  • リフォーム瑕疵保険について
  • クーリング・オフについて
  • 一括下請けの禁止

リフォーム工事が始まっていても、必要に応じて工事内容の追加や変更、一時中止を依頼できます。ただし施工業者に損害が生じてしまう場合、依頼主は補償する義務があります。これにより工事が延長される場合にも、依頼主は受け入れる必要があります。また工事の変更に伴って契約金額を増やす必要がある場合には、金額の再設定が認められています。

万が一リフォーム工事に不備があった場合の「リフォーム瑕疵保険」の適用有無についても、約款に記載されています。瑕疵が発生した場合に民法に従う旨が記載されているか、もしくは独自の保証制度について説明があるかを確認しましょう。リフォーム瑕疵保険に登録していない会社もあるため、事前に確認するのがおすすめです。

さらに「クーリング・オフ」についても、約款に記載されます。クーリング・オフとは、定められた期間内であれば契約を解消できる制度です。「じっくり考え直した結果、やっぱり白紙に戻したい」というケースで効力を発揮します。併せて、クーリング・オフの期間が過ぎてから契約を解除したい場合の条件についてもチェックしておくと安心です。

そして「一括下請けの禁止」は、リフォームで行う全ての工事を別業者に丸投げすることを禁止する規定です。これは、責任の所在を明確にしておくという狙いがあります。ただしガスや水道といった部分的な専門工事は業務委託を行うのが一般的なので、区別しておきましょう。

このように工事請負契約約款は、リフォーム工事における契約内容を詳細に規定して、依頼者と業者の双方の権利と義務を明確にするための重要な書類です。この約款により、工事の進行や支払い、変更発生時の対応方法などが明確になり、後々のトラブルを未然に防げます。そのため契約を締結する前に約款の内容を十分に確認し、不明な点があれば事前に業者に確認することが重要です。

見積書

「見積書」とは、工事業者が提供する詳細な費用見積もりを記載した書類のことを指します。工事の具体的な内容や費用が明確に把握できるため、依頼主が契約内容を検討する際に非常に重要です。具体的には、下記のような項目が含まれます。

  • 使用材料と仕様
  • 各項目の費用
  • 有効期限
  • 作成年月日
  • 合計金額
  • 特記事項

まず、工事で使用される建材や部材の種類、品質、仕様が間違っていないか確認する必要があります。品番が少し違うだけで全く違うサイズや色味が発注されてしまうことも多いため、注意が必要です。また、工事項目ごとの費用内訳(例:解体費用、設備費用、設置費用など)が詳しく記載されている場合もあります。労務費や諸経費については、依頼する業者によって設定金額に幅が生じます。

また、見積書には有効期限が定められています。これは、材料費の価格変動等で見積もり費用も変更になる可能性があることが理由です。場合によってはキャンペーンの適用期限が設けられていることもあるため、しっかり確認しましょう。

見積書は、リフォーム工事の内容と費用を詳細に示すもので、依頼主が工事の具体的な内容や費用を把握し、比較検討するための基礎資料となります。見積書を確認する際は、記載された内容に不明な点がないかをしっかりチェックし、必要に応じて業者に確認することが重要です。契約書と同様に重要な書類なので、最後まで大切に保管しておく必要があります。

設計図面

「設計図面」は、工事の具体的な内容を図面上に表記した資料のことを指します。間取り変更や電気配線の変更がある場合に作成されることが多く、視覚的に見て分かりやすいのが特徴です。主な設計図面としては、下記の資料が含まれます。

  • 平面図
  • 立面図
  • 断面図
  • 詳細図
  • 電気図面
  • 配管図面

設計図面により依頼主と工事業者の間で工事内容が正確に共有しやすくなり、認識のズレを防ぎます。もし工事中に内容の変更が必要になった場合にも、設計図面を基に変更箇所を正確に伝えることで再度確認できる点もメリットです。設計図面を見る際には、下記の点に気を付けて確認しましょう。

  • 寸法が合っているか
  • 部屋の配置が適切か
  • 詳細部分がしっかり記載されているか

まずは、図面に記載された寸法が正確であることを確認します。特に、家具や設備の設置場所の寸法は重要です。また部屋や設備の配置が、実際の使用に適しているかを確認します。さらに重要な部分の詳細がしっかり記載されているかを確認します。特に、特注の造作家具や特別な設備などを採用する場合には注意しましょう。

仕上表・仕様書

「仕上表・仕様書」は、リフォームの設備や内装の仕様を詳細に記載した書類のことを指します。この書類は、依頼主と工事業者が具体的な工事内容を確認し、合意するために重要です。主な項目としては、下記が挙げられます。

  • 部位別の仕上げ内容
  • 使用する材料の詳細
  • メーカー・ブランド情報

基本的に、仕上表には壁・床等の建材、仕様書には住宅設備やタイルの色番号等が記載されています。使用する材料や仕上げ方法が明確に記載されているため、工事の仕上がりをチェックする際に便利です。仕上表・仕様書に基づいて工事が進められることで、工事業者と依頼主の間で工事内容に対する認識のズレが生じにくくなります。もし工事中に材料や仕上げ方法の変更が必要になった場合には、記載内容を基に変更内容を正確に記録して再確認できます。使用する材料の詳細が記載されているため、予算管理もしやすくなります。

仕上表・仕様書は、リフォーム工事における材料や仕上げの仕様を詳細に記載する重要な書類です。この書類を活用することで、工事の品質管理やコスト管理がしやすくなります。内容について不明点や疑問がある場合は、必ず事前に工事業者に確認して詳細をチェックしておくことが重要です。

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リフォーム契約書でよくある疑問

ここでは、リフォーム契約書でよくある疑問についてご紹介します。リフォームは頻繁に行うものではないため、契約書についても「よく分からない…」という声は多いです。事前に疑問点を解消しておくことで、後悔の無いリフォームに活かしてみてください。

重要事項説明書とは?

重要事項説明書(じゅうようじこうせつめいしょ)とは、不動産取引・工事において重要な事項を説明するための書面です。工事請負契約約款とほぼ同じ内容であることも多く、どちらかが添付されていることが一般的です。

重要事項説明書を受け取る際は、内容を十分に理解し、疑問点や不明点があれば説明を求めましょう。納得した上で契約を締結することで、後々のトラブルを避けられます。

瑕疵保証の有無とは?

瑕疵(かし)とは、工事の欠陥や契約不履行のことを指します。2020年に民法が改正されてから「契約不適合」という言葉に置き換わっており、仕上がりが契約内容と異なっている場合に業者が責任を負うことになっています。従来まで「工事完了から1年以内」に請求する必要がありましたが、改正後は「欠陥を発見した時点から1年以内」と変更されました。これにより、お施主様が不利益を被るリスクが減ったのがメリットです。

しかし契約不適合を立証するには、リフォーム契約書の内容をしっかりチェックしておく必要があります。高品質な仕上がりにするためにも、契約書の内容は事前によく確認しましょう。

リフォーム契約書はいくらから必要?

リフォーム契約書が必要になる金額については、明確な基準は存在しません。しかし基本的には、少額のリフォームであっても必ず契約書を交わすのがおすすめです。最近ではリフォーム市場が拡大しており、新規参入業者も急増しています。中には技術や対応が不十分な業者もいることから、トラブルに繋がってしまう事例が多く見られます。そのためリフォーム業者選びの際には、きちんと見積もりを作成してくれるかどうかをチェックするのがおすすめです。

契約書を作成することで、金額に関わらず多くのメリットがあります。まず、工事内容、費用、工期、支払い条件などを明確にすることで、依頼主と業者の間での誤解やトラブル防止につながります。また 書面による契約は、万が一トラブルが発生した際の証拠としても有効です。工事内容や保証範囲について明確に記載することで、責任の所在がはっきりします。

たとえ50万円未満の小規模なリフォームであっても、契約書を作成する方が安心です。依頼内容や仕様の変更などが発生しても、契約書があることで変更点を明確に記録できます。工事後の保証やアフターサービスの条件を確認しておくことで、後々のトラブルを防ぎましょう。

収入印紙はどちらが負担する?

工事請負契約書は、印紙税法上の「課税文書」に該当します。そのため、作成時に収入印紙を貼り付ける必要があるのです。基本的には、契約金額が大きい方が印紙代も高く設定されています。そして収入印紙の金額は、基本的に「文書を作成した側」が負担する義務があります。ただし共同で作成した場合には、お互いに印紙税を負担することもあります。実際にはリフォーム業者によって対応が異なるため、契約の段階で確認するのがおすすめです。

工事後に契約書との相違が見つかった場合は?

工事後に契約書との相違が見つかった場合は、まず契約書と実際の工事内容を比較し、どの部分に相違があるのかを確認しましょう。誤解や見落としなどが原因である可能性もあるので、問い合わせする前にセルフチェックを行うと安心です。

相違点を特定した後は、工事業者と直接話し合いを行います。まずは丁寧に相違点を説明し、工事業者の立場や認識を確認します。工事業者との間で合意が得られれば、修正契約書を作成してやり直してもらえます。

もし相違点が重大で解決が難しい場合や、契約書が不当な内容を含んでいると感じる場合は、法的アドバイスを受けることが適切です。最終的な合意が得られた場合は、修正内容を書面にまとめておきましょう。これにより、将来的なトラブル防止にもつながります。

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まとめ

リフォームでは大きな金額が掛かるため、契約書をしっかり確認する必要があります。もし少額のリフォームでも、契約書が後々のトラブル防止につながることが多いため重要です。本記事でご紹介した内容を参考に、失敗しないリフォーム契約に活かしてみてください。

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