トイレリフォームを行う場合、国や地方自治体が提供している補助金を利用してお得に工事ができる可能性があります。本記事ではトイレリフォームで利用できる補助金の種類や申請条件、制度を利用する際の注意点について徹底解説します。
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トイレリフォームの補助金対象となる工事の種類
2023年の時点で、トイレリフォームを行うにあたって利用できる補助金と工事の種類は以下の5種類です。
【トイレリフォームの補助金対象となる工事5種類】
- 介護保険住宅改修費補助金制度
- 各地方自治体の補助金・助成金制度
- こどもエコ住まい支援事業
- 長期優良住宅化リフォーム推進事業(※トイレリフォームのみでの利用は不可)
- リフォーム減税
なお制度が利用できるかどうかは、リフォームの工事内容やお住まいの地域によって異なります。どのようなリフォームが制度を利用できるのか、以下にまとめたので参考にしてください。
【リフォームの工事内容と利用できる補助金の例】
リフォームの工事内容 | 介護保険住宅改修費補助金制度 | 各地方自治体の補助金・助成金制度 | リフォーム減税 | こどもエコ住まい支援事業 |
介護目的でトイレをリフォームしたい | ○ | ○ | ○ | |
和式から洋式へ変えたい | ○ | ○ | ○ | |
節水トイレに変えたい | ○ | ○ | ○ | |
トイレ全体の耐震工事をしたい | ○ | ○ | ○ | |
トイレの断熱効果を上げたい | ○ | ○ | ○ | |
汲み取り式から水洗トイレに変えたい | ○ | |||
トイレを増設したい | ○ | ○ |
※なお各地方自治体によって、トイレリフォームの際に利用できる補助金制度があるかどうかまた制度内容は異なります。必ず工事を行う前に、各地方自治体の役所に利用できる補助金制度があるかどうか確認してください。
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トイレリフォームに利用できる補助金と申請条件:①介護保険住宅改修費補助金
介護保険住宅改修費補助金制度とは、手すりや床材の変更など、要介護者でも安全に生活するためにバリアフリーな住宅へ改修する際の費用を補助する介護保険の制度です。
補助金の申請条件や補助金額、申請方法などについて以下で詳しく見ていきましょう。
補助金の申請条件と補助金額
介護保険法に基づいた住宅改修とは、要支援・要介護認定されている方を対象とした制度です。制度概要は以下のとおりとなっています。
【介護保険における住宅改修】
- 要介護者などが自宅に手すりを取り付けるなどの住宅改修を行おうとする時は、必要な書類(住宅改修が必要な理由書等)を添えて、申請書を提出し、工事完成後、領収書等の費用発生の事実がわかる書類等を提出することにより、実際の住改修費の9割相当額が償還払いで支給される。
介護保険住宅改修費補助金の申請条件は、次のような住宅改修を行う場合です。
【対象となる住宅改修の種類】
- 手すりの取り付け
- 段差の解消
- 滑りの防止及び移動の円滑化のための床または通路面の材料変更
- 引き戸などへの扉の取り替え
- 洋式便器などへの便器の取り替え
- その他上記住宅改修に付帯して必要となる住宅改修
介護保険住宅改修費補助金の支給額は以下のとおりです。
【支給される金額】
- 20万円
- ※要支援、要介護区分にかかわらず定額
- ※ひとり生涯20万円までの支給限度基準額だが、要介護状態区分が重くなったとき(3段階上昇時、また、転居)した場合は再度20万円までの支給限度基準額が設定される。
申請方法
介護保険住宅改修費補助金を利用する場合、次のような流れで申請を行う必要があります。
【介護保険住宅改修費補助金の申請方法】
- 住宅改修についてケアマネージャーなどに相談する
- 申請書類または書類の一部を提出して確認をしてもらう
a. 制度利用者は住宅回収の支給申請書類の一部を保険者へと提出する必要がある
b. 提出された書類により保険給付として適当な回収かどうか保険者が確認する必要がある - 改修工事
- 住宅改修費用の支給申請と決定(ただしやむを得ない事情がある場合は住宅改修費用の支給申請を行う段階で申請書類の提出が可能)
介護保険住宅改修費補助金申請にあたって、提出しなければならない書類は以下のとおりです。
【介護保険住宅改修費補助金申請提出書類】
- 介護保険住宅改修費補助金支給申請書
- 住宅改修が必要な理由書
- 工事の見積書
- 住宅改修後の完成予定の状態がわかるもの
利用時の注意点
介護保険住宅改修費補助金制度を利用する場合、必ず事前申請が必要になります。改修工事前の写真を撮影した上で事前申請を行い、申請の許可が降りてから工事をしなければ補助金の支給を受けることができません。
工事完了後に申請を行っても、介護保険に基づく住宅改修とはみなされないので注意しましょう。
また賃貸住宅の場合、オーナーや管理会社から退去時の原状復帰を条件に工事を許可される場合があります。
その場合、退去時には住宅改修で設置した手すりなどは撤去して元に戻さなければなりません。
しかし、介護保険住宅改修費補助金制度では原状復帰に関する費用の支給は行われていないので注意してください。原状復帰工事をする場合は、全額実費負担となります。
まずは担当のケアマネージャーに、工事をすべきか、工事をするのであればどのような設備をつけた方がいいのか相談するのが良いでしょう。
トイレリフォームに利用できる補助金と申請条件:②各地方自治体の補助金
トイレリフォームを行う場合、各地方自治体の補助金が利用できる可能性もあります。
ここでは東京都足立区の「足立区住宅改良助成制度」を例としてご紹介します。
※なお各地方自治体によって、トイレリフォームの際に利用できる補助金制度があるかどうかは異なります。必ず工事を行う前に、各地方自治体の役所に利用できる補助金制度があるかどうか確認してください。
補助金の申請条件と補助金額
東京都足立区の「足立区住宅改良助成制度」は、快適で安全な住まいのために、自己居住の住宅(分譲マンション専有部分を含む)の工事、または、分譲マンションの共用部分に行う段差解消工事などに対する費用の一部を助成している制度です。
この制度の対象建築物と対象者は以下のとおりです。
【足立区住宅改良助成制度の対象建築物と対象者】
- 対象建築物…自己所有の一戸建て住宅または分譲マンションが対象。(なお住宅が店舗・事務所・工場などを兼ねている場合、床面積の半分以上を居住用に利用している建物であれば助成の対象となる)
- 対象者…助成対象の建築物に住んでいて特別区民税を滞納していない方、もしくは過去にこの助成を受けた方がいない世帯
なお次のケースに該当する場合、この制度の対象外となります。
【対象外となるケース】
- 建築基準法などの法令や条例に違反する工事
- 新築工事や新しく増築する部分の工事
- 店舗や事務所などと併用している住宅の店舗・事務所スペース(居住スペース以外)、押入れ・納戸などの部分に行う工事
- 足立区外の建設会社や工務店などが行う工事(原則として、工事を行うのは足立区内の業者)
- 介護保険給付対象となる65歳以上の方のいる世帯
足立区住宅改良助成制度を利用してトイレリフォームを行った場合、区から支給される助成金額は以下のとおりです。
【助成金額】
- 和式から洋式トイレへの変更工事の場合…8万円/箇所
- ※なお据え置き型の場合は、2万円/箇所
申請方法
足立区住宅改良助成制度を利用する場合、次のような流れで申請を行う必要があります。
【足立区住宅改良助成制度の申請方法】
- 申請書の提出
- 審査・内定通知
- 工事契約
- 施行開始・工事完了
- 工事完了届の提出
- 工事完了届の確認と助成金交付決定の通知
- 請求書の提出
- 助成金の支払い
なお足立区住宅改良助成制度申請にあたって、提出しなければならない書類は以下のとおりです。
利用時の注意点
こちらでも、引き続き東京都足立区を例としてご紹介します。
足立区住宅改良助成制度を利用する場合、足立区内の建設会社や工務店に工事を依頼する必要があります。
原則として工事を行うのは足立区内の業者に限るという条件が付されているので、工事を依頼する際は足立区内にある業者なのか必ず確認しましょう。
なお各地方自治体によって、トイレリフォームの際に利用できる補助金制度があるかどうかは異なります。必ず工事を行う前に、各地方自治体の役所に利用できる補助金制度があるかどうか確認してください。
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トイレリフォームに利用できる補助金と申請条件:③こどもエコ住まい支援事業
こどもエコ住まい支援事業とは、子育て世帯・若者夫婦世帯による高い省エネ性能(ZEHレベル)を有する新築住宅の取得や、住宅の省エネ改修等に対して支援することにより、子育て世帯・若者夫婦世帯等による省エネ投資の下支えを行い、2050年のカーボンニュートラルの実現を図る事業のことです。
こどもエコ住まい支援事業制度では、節水型トイレへのリフォームをする場合に補助金の支給を受けられます。
詳しい補助金の申請条件や補助金額、申請方法について以下で詳しく見ていきましょう。
補助金の申請条件と補助金額
こどもエコ住まい支援事業補助金の申請条件は、以下のとおりです。
【こどもエコ住まい支援事業補助金の申請条件】
- こどもエコすまい支援事業者と工事請負契約等を締結し、リフォーム工事をする方
- リフォームする住宅の所有者等であること
こどもエコ住まい支援事業を利用して、トイレのリフォーム工事を行う場合に受けられる補助金額は以下のとおりです。
【補助金額】
- 節水型トイレで掃除しやすい機能を有するもの以外…19,000円/台
- 節水型トイレで掃除しやすい機能を有するもの…20,000円/台
- 節湯水栓…5,000円/台
引用:エコ住宅設備の設置
申請方法
こどもエコ住まい支援事業補助金を利用する場合、次のような流れで申請を行う必要があります。
【申請方法と流れ】
- 補助金の登録事業者にリフォームを依頼する
- 登録事業者が補助金の申請作業を行う
- リフォーム工事完了後に登録事業者が補助金の交付を受ける
- リフォーム依頼者に補助金の還元をする
利用時の注意点
こどもエコ住まい支援事業補助金を利用する場合、補助金を取り扱っている登録事業者にリフォームを依頼する必要があります。
補助金事業者として登録されていない会社に依頼をしてしまうと、補助金支給の対象外となってしまうので注意してください。
また事業者との間で「工事請負契約」が結ばれていない場合も補助金支給の対象外となってしまいます。これは本制度が、補助金事業者が申請を行って、事業者から依頼者に補助金の還元がされる仕組みとなっているためです。
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トイレリフォームに利用できる補助金と申請条件:④長期優良住宅化リフォーム推進事業
長期優良住宅化リフォーム推進事業補助金とは、質の高い住宅ストックの形成及び子育てしやすい環境の整備を図るため、既存住宅の長寿命化や三世代同居など複数世帯の同居の実現に資するリフォームを推進するための補助事業です。
対象となるのはリフォームを行う住宅であり、既存の戸建て住宅や共同住宅いずれも対象となります。またトイレの他にキッチンや浴室、玄関などの増設工事も補助対象です。
ただし本制度は「トイレリフォームのみ」のために利用することはできません。断熱改修工事や耐震改修工事などと一緒に行う必要があるので注意してください。
補助金の申請条件や詳しい申請方法について以下で詳しく見ていきましょう。
補助金の申請条件と補助金額
長期優良住宅化リフォーム推進事業の申請条件は以下のとおりです。
【長期優良住宅化リフォーム推進事業の申請条件】
- 建物の状況調査を行うこと
- 維持保全計画とリフォームの履歴を作成すること
- リフォーム後の住宅が長期優良住宅かリフォーム推進事業の定めた基準を満たしていること
長期優良住宅化リフォーム推進事業の補助金額は以下のとおりです。
【補助金額】
- 補助対象となる工事費等の合計の1/3
申請方法
長期優良住宅化リフォーム推進事業制度は、基本的に工事の依頼を受けた事業者が申請を行います。
事業者が国に対して申請手続きを行い、申請が認められれば補助金が給付されて事業者経由で依頼者に還元されるという仕組みです。
利用時の注意点
長期優良住宅化リフォーム推進事業制度は、トイレリフォームのみのために利用することができません。
制度を利用したい場合は、トイレリフォームだけではなく断熱回収工事や耐震改修工事などと一緒に行う必要があります。
制度を利用する際は、必ず依頼するリフォーム業者や工務店にその旨を伝えて、制度が適用される工事かどうか確認してください。
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トイレリフォームに利用できる減税制度
トイレリフォームを行う場合、リフォームの種類によってはリフォーム減税制度が利用できる可能性もあります。
リフォーム減税制度とは、定められたトイレリフォームを行った場合に確定申告をすると税制上の優遇が受けられる制度のことです。なお所得税と固定資産税が減税の対象となります。
リフォーム減税の申請条件と減税額
リフォーム減税の申請条件は、対象となるリフォームを行い、工事を行った翌年の2月16日から3月15日までに確定申告を行うことです。リフォーム減税の対象となる工事は以下のとおりです。
【リフォーム減税の対象となる工事の種類】
- 同居対応リフォーム
- 省エネリフォーム
- 耐震リフォーム
- バリアフリーリフォーム
参考:リフォームの減税制度
リフォーム減税を利用することによる減税額は以下のとおりです。
【リフォーム減税利用による減税額】
- 所得税の控除…最大20〜50万円
- 固定資産税の控除…固定資産税の1/3〜2/3
申請方法
リフォーム減税の申請方法は以下のとおりです。
【申請方法】
- リフォーム減税の対象となる工事か確認する
- リフォーム業者へ工事を依頼・完了する
- リフォーム工事が完了したら増改築工事証明書の取得を行う
- 翌年3月15日までに確定申告を行う
参考:リフォームの減税制度
利用時の注意点
リフォーム減税制度を利用する場合、確定申告に必要な書類は工事の内容によって異なります。
必要書類がどういったものかは、必ず確定申告前にお住まいの地域の税務署に確認しましょう。
トイレリフォームの補助金制度を利用する際の注意点
ここでは、トイレリフォームの補助金制度を利用する上で注意すべきポイントについて解説していきます。
制度申請期間中であるか確認する
トイレリフォームを行うにあたって補助金制度を利用したい場合、制度の申請期間中であるか必ず確認しましょう。
制度によっては申請期間中外のケースもあり、工事をしてから利用しようと思っていた制度が利用できなかったということもあります。
各制度のホームページを確認して、制度の申請期間中であるかどうかわからない場合は依頼するリフォーム業者にも確認するのがおすすめです。
早めに申請するのがおすすめ
補助金制度を利用したい場合、できるだけ早めに申請するのがおすすめです。
各制度には補助金の上限が定められており、上限に達してしまうと申請を締め切ってしまいます。
申請上限に達して制度が利用できなくなることを防ぐためにも、トイレリフォームを行う際は早めに補助金制度の申請も行いましょう。
補助金制度に精通した業者にリフォームを依頼する
補助金の給付をスムーズに受けるためには、補助金制度に精通した業者にリフォームを依頼するのがおすすめです。
それまで補助金を活用してきた業者であれば、申請上の注意点や手続きの仕方など手厚くサポートをしてくれます。
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トイレリフォームは補助金制度を利用してお得に行おう!
お住まいの地域や工事の内容によっては、トイレリフォームに補助金制度を利用できる場合があります。
どの制度もリフォームをお得にできるものばかりなので、補助金が利用できないか工事をリフォーム事業者や工務店に依頼する前に必ず確認しましょう。
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